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 県内のさまざまな施設で続いた休業要請は11日、動物園や映画館などの一部施設で解除となった。関係者は新型コロナウイルスの感染防止策を講じつつ準備を進めてきた。ただ、緊急事態宣言や外出自粛要請が続く中での解除となり、歓迎と戸惑いの声が交錯した。

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 23日ぶりに再開した福山市立動物園には、朝から家族連れがぽつりぽつりと訪れた。入り口には透明シートを張り、係員が「ほかのお客さんとの間隔をあけて下さい」と呼びかけた。動物との触れ合いなどの催しは中止している。小学2年の孫を連れてきた市内の男性(56)は「ゾウを見たいと頼まれ、黄金週間にどこへも行けなかったので、今日くらいは気晴らしに」。

 海田町の海田自動車学校は、午前9時から予約電話がひっきりなしに鳴った。多くの教習生が訪れ、教習の予約はほぼ埋まった。休業期間も対策に追われた。ソファは、間隔を保てるパイプ椅子に換え、教習生ら約400人に電話してスケジュールを調整。副管理者の高橋克弥さん(44)は「休んで仕事がなくなる不安と、感染者が出たらという不安がある。でも再開できてホッとしています」。

 予約に限って本の貸し出しを受け付けていた県立図書館(広島市中区)は、12日から開架室の書棚で本を探して借りられるようになる。ただ、コピーや席での閲覧はできず、児童書のコーナーは10人程度に入場制限する。福山市内の7図書館では11日、利用制限が一部緩和されたが、席に座っての読書などはできず、椅子は撤去されている。

 呉市では、消毒液を置くといった対策を進め、川尻筆づくり資料館など一部施設が再開。13日には市立美術館や入船山記念館も開く。だが、年間80万人超が訪れる大和ミュージアムは休館が当面続く。新原芳明市長は「県外からが多く、残念だがすぐには再開できない。全国の感染状況を見ながら判断したい」。

 映画館は、大手シネコンなど多くが11日以降も休業する。ある館の担当者は「外出自粛が続いているから開けられない」と話す。そんな中、4月22日から休業していた広島市の横川シネマは11日に上映を再開。溝口徹支配人は「外出自粛が続く中、どういうプロセスでこのタイミングで映画館が制限解除となったのかよくわからない」と、晴れない表情。11日午前は5人ほどが鑑賞した。

 12日に再開する県立美術館(広島市中区)は、入り口前でサーモグラフィーによる検温を行い、チェックシートで健康確認もする。県外からの人には、入館を遠慮してもらうという。県文化芸術課の担当者は「お互いの感染リスク低減のため、県を越えて行き来することを辛抱していただきたい」。隣接する縮景園も、12日の再開を前に、ベンチを利用しないよう求める注意書きを貼るなどした。

 県立の歴史民俗資料館(三次市)、歴史博物館(福山市)、頼山陽史跡資料館(広島市)も、12日から再開する。