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 フランス南部の遺跡から、ネアンデルタール人が編んだとみられる縄の断片が付着した薄い石器が見つかった。縄は5万2千~4万1千年前のものと推定され、天然の繊維を編んだ技術の物証としては、確認された中で最も古いという。研究チームは、ネアンデルタール人の認知能力の高さを示すものと考えている。

 ネアンデルタール人は約40万~20万年前から3万年前ごろまで、欧州を中心に暮らしていたとみられる。

拡大する写真・図版石器に付着していた縄の拡大写真。中央の突起部に繊維の断片が巻き付いている=研究チーム提供

 見つかった縄の断片は長さ6ミリほど。3束の繊維がより合わされていた。この縄を石器に巻き付けて取っ手にしたか、石器を入れた網か袋の一部だったらしい。光による分析や顕微鏡の観察から、縄は針葉樹などの樹皮の繊維でできている可能性が高いという。

拡大する写真・図版縄の断片はこのAbri du Maras遺跡で見つかった=研究チーム提供

 米国とフランス、スペインのチームによると、縄を編むには、原料となる樹木の成長と、それを知る季節についての知識、複数の繊維や糸をより合わせる数学的概念が必要。これまで人類が編んだ繊維の束としては、イスラエルの遺跡で発掘された約1万9千年前のものが最古とされていた。

 それより前の時代にこうした縄が編まれていたと考えられることについて、米ケニオン大のブルース・ハーディー教授は「ネアンデルタール人は従来の予想よりもはるかに知性的で、現代人と大して違わない」としている。

 この成果は科学誌サイエンティフィック・リポーツ(https://www.nature.com/articles/s41598-020-61839-w別ウインドウで開きます)に掲載された。(米山正寛)