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 地球帰還を目指している小惑星探査機「はやぶさ2」が12日、メインエンジンであるイオンエンジンに点火し、地球を目指す最後の加速を始めた。機体は正常だという。今年11~12月に、小惑星「リュウグウ」の砂や石が入っているとみられるカプセルを、豪州の砂漠に送り届ける予定だ。

 はやぶさ2は昨年11月にリュウグウを出発。イオンエンジンを噴射して加速し、今年2月にいったん止めていた。今回は2回目の点火で、地球に近づく軌道に入る9月まで断続的に噴射を続ける。宇宙航空研究開発機構(JAXA)のチームは点火を前に、「新型コロナウイルスに負けずに頑張っていきます!」とツイッターに投稿した。

 発表によると、はやぶさ2はこの日午前7時ごろ、4台あるイオンエンジンのうち1台で加速を始めた。通常は予備を除き最大3台まで運転できるが、はやぶさ2がまだ太陽から遠く、太陽電池の発電量が十分でないため、当面は1台だけ運転するという。

 はやぶさ2は11~12月にカプセルを豪州上空に送り届ける予定。初代はやぶさはカプセルとともに大気圏に突入して燃え尽きたが、はやぶさ2は軌道を変えて次の旅に出る。

 ただ、はやぶさ2が地球の横をすり抜けるには、カプセルを月軌道ほどの遠距離で放出しなければならない。数十万キロ離れた場所から豪州の数十キロの範囲に落下させるには、小型エンジンで姿勢や軌道を細かく修正する精密な誘導が必要になりそうだ。

 はやぶさ2はその後、別の小惑星を目指す。目的地として、2030年ごろに到着できる複数の候補が検討されているという。(小川詩織)