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 新型コロナウイルスで世界恐慌以来の雇用危機に陥った米国で、失業保険が過去に例のない「大盤振る舞い」となっている。従来の支払額に毎週600ドル(約6万5千円)が一律に加算され、平均的な働き手は就業時よりも収入が増えることになった。ただ、手厚い補償が「経済再開」の足かせになりかねないとの心配も出ている。

拡大する写真・図版米ミシガン州で5月7日、休業中の店の前を通り過ぎる歩行者=AP

 ニューヨーク(NY)州中部ユティカでギリシャ料理店を営むシメオン・ツペリスさんは3月、従業員のうち55人の一時帰休に踏み切った。新型コロナの感染拡大を防ぐための規制が強まり、営業を「持ち帰り」に絞ったからだ。

 最近は一帯での感染が落ち着いており、NY州のクオモ知事は「経済再開」に向け、これから徐々に営業規制を緩める方針だ。ツペリスさんもレストラン部分の再開を計画する。

 しかし、思わぬ壁が立ちはだかった。従業員たちが職場復帰をためらっているのだ。

 大きな理由は、コロナ対策で手厚くなった失業保険だ。米議会とトランプ政権が3月末に決めた計2兆ドル(約220兆円)超の経済対策は、失業保険の受給期間を13週間延ばしたり、単発の仕事を請け負う「ギグワーカー」も対象にしたりしたほか、各州が支給する額に一律600ドルを7月末まで積み増すことにした。

拡大する写真・図版米国の飲食店の多くは、テイクアウトだけの営業に=2020年5月10日、米メリーランド州、江渕崇撮影

 この上乗せ分だけでNY州の最…

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