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 新型コロナウイルスの感染拡大の勢いを抑えたとして都市封鎖が解除された中国・武漢市で、1カ月ぶりに集団感染とみられる患者や重症者が確認され波紋を呼んでいる。当局は全市民を対象としたPCR検査を計画するなど、対応に追われている。

 武漢市政府は10日、市内の団地に住む男性(89)の感染が確認され、重症だと発表。11日にも同じ団地に住む20~80代の男女5人が発症し、うち1人が重症と発表した。感染経路は団地内としている。

 同市で発症者が確認されたのは4月3日以来。約40日ぶりの発症者の確認を重く見た王忠林・市共産党委員会書記は「対策の見直しを進める」とし、今も市内で1日当たり数万件実施しているPCR検査の拡充などを表明した。

 発症者が出た団地では住民約5千人の全員検査が行われている。国営新華社通信のウェブサイト「新華網」は12日、市当局が全市民に検査を実施する計画を進めていると報じた。実際、市民には「10日間で市民全員を検査する」との通知がすでに届き始めている。

 中国は発症者と無症状の感染者の統計を分けて発表し、発症者の数を感染抑え込みの主な指標としてきた。武漢でも4月3日以降、無症状の感染者は500人以上確認されている。

 SNS上では「1カ月出なかった発症者が1日で5人も出るのはおかしい」と、発症の実態が正確に把握されているのか疑う声も出ている。市当局は今回、発症者の出た地域の責任者を処分しており、何らかの過失や問題があったとみられる。(北京=平井良和)