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 新型コロナウイルスの感染拡大で休館・休園している群馬県内の施設が、SNSやホームページからでも楽しめる動画などの配信を、次々と始めている。「自宅からでも楽しめるように」と担当者らは工夫を凝らす。

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 そびえ立つ巨大なアパトサウルスの脚部、何体もの恐竜の骨格標本……。3月初旬から休館中の神流町恐竜センター(群馬県神流町神ケ原)では、インターネット上で館内を見学できる「バーチャル恐竜センター」を開設した。同館のホームページから、その場にいるかのように周囲の様子を360度、画像で見渡すことができるようにした。

 米グーグル社が提供するグーグルマップのストリートビュー機能を活用。職員が撮影機材をレンタルし、館内を歩き回って撮影した。学芸員の田中望羽さん(26)は「ストリートビューなら様々な角度から展示を見てもらえる。気になることを見つけて、自粛期間が明けたら実際に足を運んでほしい」。

 桐生が岡動物園(桐生市宮本町3丁目)では、市のユーチューブチャンネルで休園中の動物たちの様子を動画で紹介している。

 活動が活発になり、赤ちゃんの誕生も多い春は、通常なら入園者でにぎわう季節。動物たちの様子を気にかける市民の声も受け、動画を公開することにしたという。担当者は「こんなときでも動物たちは元気でのんびり過ごしている。いつもと変わらない様子を見て、少しでも心を休めてもらえれば」。

 群馬県立自然史博物館(富岡市上黒岩)はフェイスブック上で、学芸員らがそれぞれの専門分野の標本を短い動画で解説。きのこや化石、魚、鳥などとテーマを変えて続けているシリーズのほか、解説員がよくある質問に答える動画など、これまでに計20本以上を投稿している。

 「休館中も何かできることはないか考え、模索しながら始めた」と同館生物研究係長の木村敏之さん(49)は話す。

 前橋文学館(前橋市千代田町3丁目)も、第27回萩原朔太郎賞を受賞した詩人の和合亮一さん=福島市=の詩を朗読する動画を、ユーチューブで公開している。受賞記念の企画展に合わせて2月末に予定していた朗読会が中止になったため、無観客の文学館ホールで朗読会とほぼ同じ内容を収録した。

 前橋市在住のピアニスト山屋寿徳さんが詩に合わせて演奏する中、同市出身の俳優手島実優さんや、萩原朔美館長らが出演。39分間の動画で、受賞作の「QQQ」などの詩集から12作品を取り上げた。萩原館長は「詩は音楽。朗読を聞く方が黙読よりもよく伝わるのでは。読み手の個性を味わえるのも魅力なので、楽しんでもらえればうれしい」と話す。(松田果穂)

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