タクシー社長「悔しい」 コロナで廃業、運転手全員解雇
神山純一
新型コロナウイルスの感染拡大による利用者の減少に苦しむタクシー業界。廃業に追い込まれる会社も出始めた。「ふれ愛交通」(大阪市)は売上高が急減して資金繰りが悪化するなか、11日付でタクシー事業を停止。道野隆社長は「悔しい気持ち」を抱えたまま、会社そのものの廃業を決めたという。
ふれ愛交通は1999年にタクシー事業を開始。高齢者の病院への送迎などを行う介護タクシーも手がけ、車両118台を保有していた。年間売上高は約6億円で、ここ10年ほど伸びていた。
しかし、道野社長によると、「元々内部留保が少なく、経営体力は強くなかった」。追い打ちをかけたのが、新型コロナによるタクシー利用者の減少だ。3月の売上高が4割減、4月には8割減になった。道野社長は「今後、資金ショートをおこすおそれが高い」と判断したという。
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