栃木の両毛新聞が休刊 創刊74年、コロナで広告収入減

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根岸敦生
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 栃木県足利市日刊紙「両毛新聞」が9日付の新聞発行を最後に休刊した。1946年に創刊以来、通算1万9520号、74年の歴史に区切りをつけた。地域で愛された夕刊紙の最終号には「本紙74年の歴史に幕 ご愛読ありがとうございました」と見出しが立った。

 同紙は岡部功・現社長(88)の父の故・新二郎さんが33年に創刊した「足利日報」が前身。2ページの紙面には足利市内の話題や行政ニュース、告知記事などが掲載されていた。1部60円、月決め1500円。

 配達スタッフの確保に苦労し、デジタル化の進む中で部数減が進み、後継者難などの課題も積もっていた。最終的な休刊の決断の決め手になったのは新型コロナウイルスの感染拡大だった。イベントの中止や店舗の営業自粛が相次ぎ、3月以降は広告収入が大きく減少した。

 功さんの娘は「新型コロナに決断を後押しされた感じです。両毛新聞の題字で、いつかデジタルで再出発ができれば……」と話していた。

 織物で栄えた足利市内には多くの地域紙があり、商店街や市内の事業所などで根強い読者がいた。

 足利商工会議所の福島靖専務理事は「地元の情報を共有するという点で個人商店や事業所で広く読まれてきた。今の状況では、集まって両毛新聞を惜しむというわけにいかないので」と残念がっていた。根岸敦生

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