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 アフリカ南東部の島国マダガスカルで開発された薬草入りの飲み物がアフリカ諸国で議論を呼んでいる。マダガスカル政府が「新型コロナウイルスの予防や治療薬になる」と主張する一方、世界保健機関(WHO)は「効果は証明されていない」として注意を呼びかけている。

 この飲み物はマダガスカルのラジョリナ大統領が4月下旬に発表。同国で薬用植物の活用などを専門にする研究所が、マラリアに効果があるとされるヨモギ属などの薬草を配合してつくったという。

 地元メディアなどによると、国内の学校の生徒らに配ったほか、タンザニアや赤道ギニアなど少なくとも7カ国がすでに商品を受け取ったり要望したりしており、他にも関心を示す国があるという。

 一方、WHOアフリカ地域事務局のモエティ局長は「適正な治験が実施されていない」として、「(この飲み物が)防止策として勧められ、人々が安心してしまうことを懸念している」と指摘。アフリカ連合も安全性と効果の検証が必要だとしている。

 これに対し、ラジョリナ氏は仏メディアの取材に対し、「もしこれが欧州の国で開発されていたら、こんなにも疑われただろうか」と訴え、「治験はしていないが、臨床観察はしている」と主張したという。

 WHOによると、12日時点で、マダガスカルでの新型コロナウイルスの感染判明者は186人で、死者は出ていない。(ヨハネスブルク=石原孝)