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 新型コロナウイルスが広がった米国で、企業活動の再開に向けた動きが出ている。経済への影響が深刻になる中、トランプ大統領は再開に前のめりだが、米国立アレルギー感染症研究所のアンソニー・ファウチ所長らは12日、米上院の公聴会で「拙速な再開は深刻な結果を招く」と警鐘を鳴らした。

 ホワイトハウスが示した経済再開に向けたガイドラインでは、ある地域で過去14日間の感染者数が減少傾向にあることなどを「チェックポイント」としているが、こうした条件を達成していなくても企業の再開を認める州などが出ている。ビデオを通じて証言したファウチ氏は「チェックポイントを飛び越えて、(感染拡大に)効果的に対応する能力のないまま拙速に経済を再開すれば小さな感染の増加が始まり、アウトブレーク(感染爆発)につながることを懸念している」と指摘。死者が増えるだけでなく、経済活動にとってもマイナスになると述べた。

 米ジョンズ・ホプキンス大によると、米国の感染者数は約137万人、死者数は約8万2千人と世界最多だ。ファウチ氏は診断を受けずに自宅で亡くなった人もいるとして、「これらの数字よりも死者数はもっと多いように感じている」との見解を示した。

 新型コロナによる米国経済への影響は、失業率が戦後最悪の14・7%を記録するなど、深刻だ。それだけに、11月の大統領選で再選をめざすトランプ氏は経済再建を急いでいる。11日の会見では「我々はこの状況に直面し、勝った」と語り、ツイッターでも「多くの地域は再び動きたがっている。それは安全に行われている!」と発信した。ただ、ファウチ氏の証言により、政権内でも意見の相違が改めて浮かんだ。

 世論も慎重だ。ピュー・リサーチ・センターが7日公表した世論調査では、州による行動制限の緩和は「早すぎる」と懸念する人が68%で、「もっと早くすべきだった」と考える31%の倍以上だった。政治家より専門家の意見を重視する世論の傾向も顕著だ。AP通信などの調査では、新型コロナの情報で、米疾病対策センター(CDC)を信頼する人が68%だったのに対し、トランプ氏はわずか23%だった。(ワシントン=渡辺丘、香取啓介)

感染少ない州でも不安の声

 米国の一部で、新型コロナウイルスの感染拡大がピークを過ぎたとして、企業の活動の再開を認める州が出ている。だが、経営者や消費者は慎重で、以前と同じような形での営業は難しそうだ。

 西部モンタナ州ヘレナ中心部の…

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