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 宮崎県三股町のヤマメ養殖場兼観光施設「しゃくなげの森」は、新型コロナウイルスの影響で大幅な出荷減に陥っている。3~4月の売り上げが前年同期より7割以上、数百万円も減少。今月から、行き場を失った冷凍ヤマメを割安で通信販売している。

 池辺美紀(よしのり)社長(51)によると、養殖場は1971年に父親が開業。池辺さんが後を継いで約18年になるが、こんなに困難な状況は初めてだという。

 三股町と日南市に養殖池を持ち、産卵・授精から孵化(ふか)、生育まで一貫した養殖体制を築いている。例年3~4月には九州各地のヤマメ養魚場やホテル、飲食店などに体長約20センチ、重さ約100グラムの塩焼きサイズの成魚を2・5~3トンほど出荷する。だが、今年はその時期にコロナ禍が直撃。稚魚の出荷は少しあったが、成魚の出荷はほぼゼロに落ち込んだという。

 春恒例の「しゃくなげ花祭り」の客も例年の1割以下に。園内でヤマメ釣りをしたり、ヤマメ料理を楽しんだりする人もほとんどいなかった。

 えさ代だけで月100万円ほどかかる。「稚魚もどんどん育って大きくなるわけです。成魚のヤマメ約2トンが養殖池に満杯状態になり、本当に苦しかった」

 成魚は冷凍するしかなくなったが、冷凍庫も満杯に。ただ、5月に入ってSNS上での支援もあり、内臓を取って個別包装した冷凍ヤマメを家庭用にネット販売し始めた。「訳あり商品」として特別(割安)価格で提供する。

 池辺さんは「購入して『おいしかった』と言って下さるお客様には感謝しかありません。ただ、2年間かけて育てる体長30センチ以上の『尺ヤマメ』も含め、例年ならば7~8月に次の出荷のピークが来る。今年はどうなるのか。先が見えず、不安です」と言う。

 ネット販売は「しゃくなげの森 コロナ支援」で検索。問い合わせは、池辺さん(090・3669・1295)へ。(神谷裕司)