[PR]

 山形大学が開発した「やわらかロボ!ゲルハチ公」が県内外で展示されている。軟らかい素材でできたロボットで、人が触れると人工知能(AI)がなでられ方などを解析し、鳴き声などで反応する。山大は「心地良い手触りで、癒やしを与えられるのではないか」と福祉分野などでの活用を期待する。

 同大大学院理工学研究科の古川英光教授らは、従来のロボットと一線を画す「やわらかロボット」の研究を進める。ぶつかっても比較的安全な上、触り心地の良さから快適さを感じられるという。研究は2016年に科学技術振興機構の共同研究推進プログラムにも採択されている。

 ゲルハチ公のモチーフは、JR鶴岡駅に展示されている石膏(せっこう)の「鶴岡ハチ公像」。東京・渋谷のハチ公の試作品とされ、山大は鶴岡ハチ公像保存会の協力も得て制作した。

 ゲルハチ公は幅35センチ、奥行き100センチ、高さ86センチで、頭と前脚に軟らかいシリコーンを使用。正確にはゲル素材ではないが、古川教授は「用途を広げるため、軟らかい素材を広義のゲルとして扱って研究している」と説明する。

 人に触れられると鳴き声や振動、光で反応。頭に埋め込んだセンサーで人が触れた力を検知し、首に内蔵したカメラとマイクで人の表情や呼びかけを認識する。こうした情報からAIがゲルハチ公の気持ちを解析し、「驚く」「楽しい」などの感情を鳴き声や振動、光で表現する。学習能力もあり、触られる回数が増えるほど適切な表現をするようになるという。

 昨年9月、渋谷であった「超福祉展2019」を皮切りに、12月に東京ビッグサイトであった「国際ロボット展」、昨年末から今年1月にかけて長井市の旧長井小学校第一校舎で展示されてきた。今後、日本科学未来館(東京都江東区)でも展示予定。

 古川教授は「やわらかロボットには硬いロボットにない付加価値がある。人間や自然と親和し、共生するロボットを作りたい」としている。(石井力)