三重)コロナ禍で「住」を考えよう オンライン移住相談
こんな時だからこそ、あなたの「住」を考えませんか――。名古屋市を中心にシェアハウス事業などを手がけてきた2人が、地方への移住や定住を考える人向けに、オンラインで地元にいる移住担当者などに相談できる取り組みを始めた。家にいながら地方の魅力を体感できる新しい仕組みを広めたいという。
4月末、空き家などの遊休不動産の活用方法を提案する会社「On―Co」の水谷岳史さん(32)と藤田恭兵さん(28)らが、オンライン上で移住相談会を開いた。水谷さんの指示を受け、画面の向こう側にいる北海道利尻町や三重県いなべ市、宮城県気仙沼市など、全国11地域の担当者らが、それぞれの地域の魅力を紹介。その様子は、YouTubeやテレビ会議システム「Zoom(ズーム)」などでライブ配信され、誰でも無料で見ることができる。
視聴者はその後、興味を持った地域の担当者とオンライン上につくった個別のトーク部屋でつながることができるという仕組みだ。この日の視聴者は1200人に上った。
地域別のトーク部屋で特に盛り上がったのが、いなべ市だった。地域おこし協力隊で移住、定住の促進をする山崎基子さん(37)のもとに、8人が集まった。現役を引退した人やゲストハウスのオーナー、漁師など様々だ。「空き家の設備はどれほど整っていれば住めるか」「いなべに行ってみたい」
協力隊になって丸2年の山崎さんは、これまで11組の移住者を世話してきた。最近は新型コロナウイルス感染症の影響で、主に電話相談がメイン。愛知県在住の人からは「コロナを受けて都市部での暮らしを考え直したい」という相談が多かったという。オンライン相談会を終え、山崎さんは「オンラインでは全国の人との距離が関係ない。可能性が広がった」と話した。
企画した水谷さんと藤田さんは、新型コロナの感染が首都圏を中心に広がるなか、「今こそ『暮らし方』を考え直す人が多いのでは。コロナが収束した後に都市部から地方に一気に人が流れるかもしれない」と、移住相談をオンラインでする取り組みを思いついた。
移住や定住促進をする各地の知人に聞くと、「オンラインの可能性を追求してみたい」との声があり、本格的に企画化した。水谷さんは「オンラインは移動の概念をなくす。誰もが気軽に参加できるから、移住を考える人にとって深いきっかけ作りになるはず」と話す。
今後も形を変えて相談会を開いていきたいという。詳細は水谷さんと藤田さんが運営する「さかさま不動産」のホームページ(https://sakasama-fudosan.com/)で確認できる。(大滝哲彰)
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