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 新型コロナウイルスの影響で部活動が休止、公式戦が中止となっているのは、私立高校も同じだ。

 西武台(埼玉県新座市)の河野創太監督(37)は、昨秋の県大会で準優勝し、関東大会では8強の好成績を残しただけに、冬の練習を乗り越えたチームの成果を試す春季大会が中止となったことを残念がる。

 3月末から部活動を休止にした。選手とつながるのは、5年ほど前に野球部で導入したLINEだ。監督や選手、トレーナーら百人以上が入ったグループで、「部誌」を毎日更新する。選手たちが、強いチームになるための思いなどを書き留めたノートだ。

 4月下旬、河野監督のスマートフォンには、文字がびっしりと埋まったノートのページを収めた写真がアップロードされた。

 「新チームで勝ち抜くため、やってきたことに誇りを持とう」

 「みんなと過ごす時間が減っている。1年生に受け継いで欲しい伝統を伝えたい」

 これまでは、選手がつづったノートを実際に受け取った河野監督がそこにコメントを書き込んでLINEにあげていたが、部活動が休止になってからは、選手ひとり一人がノートに思いを書き、それをアップするやり方に変えた。最上級生の3年生が励ましのメッセージを送る取り組みも始めた。

 河野監督は当初、LINE導入に抵抗があったが「結果的に普段からやってきたことが今、生きている」と積極的に活用する。

 今春入部した1年生には練習動画を送信してもらい、それに応えて指導する。一方、上級生の2、3年生には具体的な自主練習の指示を出していない。自立性を重んじるためだ。「やるのは自分自身。生徒たちを信じる」

 今春の選抜大会に出場予定だった花咲徳栄(加須市)。保護者らと相談し、寮に80人ほどいた部員のおよそ半数が自宅に戻った。残りは校内で自主練習をしている。4月7日の緊急事態宣言後、集団での練習はできていない。

 新型コロナの感染が広がり始め、3月上旬に予定していた沖縄遠征を中止とするなど対外試合ができなくなった。昨冬から数えればもう5カ月以上、本格的な試合から遠ざかっている。試合感覚を養う機会が少なくなったことで岩井隆監督(50)は「多角的な経験を得てチームが成長していくことができない」と言う。

 ただ、選手に悲壮感はない。個々の能力は高く、「夏のその先を見据えている選手もいる」と言う。プロや大学、社会人などで野球を続けようとするならば、相応の気構えや技術力の向上が求められる。

 夏の選手権埼玉大会で6連覇を狙うだけではない。将来の野球人生も描きながら、選手のモチベーションをどう維持させるかといった育成を心がけている。