今年の夏は、新型コロナウイルスの感染を広げないため、炎天下でもマスクをつけねばならなそうだ。5月というのに夏日が続く中、すでにマスクをつけていると顔周辺がもわっと暑く、息苦しい。私たちは「経験のない夏」を迎えることになるが、果たしてマスクのせいで熱中症になるのだろうか。
拡大する5月というのに夏日がある中、マスク姿で川遊びをする親子=2020年5月3日、盛岡市の中津川
中国では、医療用の高性能マスクをしたまま走っていた中学生が急死した。ネット上では早くも、「冷感」「UVカット」をうたうさまざまな夏用マスクが販売されている。
熱中症に詳しい帝京大医学部付属病院の三宅康史・高度救命救急センター長は「夏場に大勢の人がマスクをつけて過ごすという事態は、全人類の経験上ないこと」と話す。
人間は通常、体温より低い冷たい空気を吸いこみ、鼻の中や肺の中で温められた息を出す。体から熱を奪いながら温かい空気が出ることで、体が冷やされるという仕組みだ。
それがマスクをつけていると、より温かい空気を吸い込み、吐いた息もマスクでブロックされてしまう。つまり、体がより熱を持ちやすくなってしまうという。
拡大する水遊びをする子どもたち。昨年の夏は、マスクなしで外で遊べた=2019年7月30日、滋賀県草津市大路2丁目
また、マスクをつけていることで呼吸に負担がかかるため、肋間(ろっかん)筋や横隔膜を必要以上に働かせることになる。運動しているのと同じ状態となるため体温が上がり、これも熱中症のリスクとなる。
だが「マスクをつけていることが、熱中症予防に有利に働くかもしれない面もある」と三宅さんは話す。
マスクをつけていることにより、息を吸ったり吐いたりするときに湿度が保たれるため、呼吸により失われる水分を抑えられる、というのだ。
「マスクをつけることのプラス面とマイナス面を相殺し、熱中症のリスクが上がるかどうか、ということだと思います」
夏向けマスクとして、通気性が…
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朝日新聞社会部