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コロナ法律相談 回答:友弘克幸弁護士

 新型コロナウイルスの感染拡大で、働き方や職場環境も大きく変わりました。心配なのは、こうした状況でのハラスメントや差別です。どう対応すれば良いか、記者が取材した事例などをもとに、専門家に尋ねました。(聞き手・山根久美子)

 Q 熱があり、新型コロナウイルスに感染したかもしれません。会社を休んで検査を受けたいのに、上司は「黙っていたらわからないから受けるな」と休ませてくれません。指示に従わなくてはいけませんか?

 A 労働者が就業時間外にどう過ごすかは、原則として労働者の自由です。必要な検査を受けることも、もちろん自由です。会社の就業規則に反して副業を行うことなどは制限されますが、会社側は「検査を受けるな」という指示をする権限は一切ありません。無視して検査を受けましょう。

 使用者(この場合は会社側)は労働者に対し、健康で安全に働くことができるよう必要な配慮をする「安全配慮義務」を負っています。発熱を訴えている従業員は、新型コロナに感染していなくてもただちに休養させるべきです。従業員は安全配慮義務に反した「休むな」という業務命令に従う必要はありません。

 また、治療法の確立していない疾病に感染した可能性を訴えているのに出勤を命じるのは、従業員に肉体的苦痛を与えます。上司の言動はハラスメント行為に当たる可能性があります。

 実際に従業員が新型コロナに感染しているのに上司の命令で無理に出勤させ、職場でクラスターが発生したらどうなるでしょうか。会社は感染した他の従業員に対しても安全配慮義務違反として、損害賠償責任を負う可能性もあります。休むことは本人のためにも、感染を広げないためにも大切です。会社側も意識しなければなりません。

    ◇

ともひろ・かつゆき 2004年弁護士登録。労働者の立場で解雇や残業代請求などの労働問題に取り組む。大阪労働者弁護団事務局長。

ハラスメントに関する相談窓口やQ&A

・ハラスメント悩み相談室(厚生労働省の委託事業)https://harasu-soudan.mhlw.go.jp/別ウインドウで開きます

・全国労働相談(全労協)0120・501・581

・なんでも労働相談ホットライン(連合)0120・154・052

・新型コロナウイルス感染症に関する特別労働相談窓口(各地の労働局)

・新型コロナウイルスに関するQ&A(厚労省)https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/dengue_fever_qa_00018.html別ウインドウで開きます

・新型コロナウイルス感染症に関する労働問題Q&A(日本労働弁護団)http://roudou-bengodan.org/covid_19/別ウインドウで開きます

・職場における新型コロナウイルス感染症の拡大を防止するためのチェックリスト(厚労省)https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000617721.pdf別ウインドウで開きます

質問を募集しています

新型コロナウイルスに関する問題に、記者が専門家に取材してお答えします。ご質問はQcorona@asahi.comメールするにメールでお寄せください。

 ※Q&Aの内容は、身近な法律問題について解決の参考となるよう、あくまで一つのケースを示したものです。個別の事情によっては、回答内容があてはまらないことがあります。