新型コロナウイルスの感染拡大により、視覚障害者が苦境に立たされている。買い物や通院に付き添うガイドヘルパーの活動自粛が広がっているからだ。ヘルパーと視覚障害者の間で「社会的距離」を保てないことが、大きな要因となっている。
「コロナが落ち着くまで休ませてほしい」。視覚障害のある女性(51)は3月末、ガイドヘルパーを派遣する事業所から突然告げられ、途方に暮れた。
千葉県で一人暮らし。視覚障害者の外出を支援する国の制度(同行援護)を利用し、買い物のために週1回、通院に隔月1回、ヘルパーに来てもらっていた。
女性の健康状態に変わりはない。だが、担当のヘルパーが高齢による感染の不安から活動を休止したという。新しい人を探して何軒も他の事業所をあたったが、ヘルパーが利用者からうつされることも、ヘルパーが利用者にうつしてしまうことも避けたいとの説明でいずれも断られた。
ヘルパーと外出する際は、腕を貸してもらい、半歩後ろにつく。「誘導してもらうには密接しないといけない。距離の近さから不安を感じるのは、仕方ないとは思う」
女性はその後一人で買い物に行ってみたが、店員の数が減り、いつものように売り場まで案内してもらえない。ネットスーパーを利用しようにも、配達枠はすぐ埋まり、音声を頼りに操作する女性は「スピード競争に勝てない」。視覚障害者が自力で買い物をするのは、コロナ禍でますます困難になっている。
事情を知った職場の友人が食材…
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朝日新聞社会部