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 新型コロナウイルス対策の国の一律給付金を、どう有効に使うか。日進市の男性(77)は、地域の子どもの食支援に役立てたいと、「日進絆子ども食堂」に寄付した。給付金が手元に届く前だが、預金を下ろして前倒しで渡した。

 男性は4月23日、「日進絆子ども食堂」を運営する山崎正信さんに現金10万円を封筒に入れて手渡した。「私にとっては『棚ぼた』の10万円。受け取らない選択肢もあるが、せっかくなら有効な使い方をしたい」。日進市役所に相談したところ、子ども食堂の活動を紹介され、寄付を決めた。

 男性は、9歳のときに父親を病気で亡くし、母子家庭で育った。修学旅行にも行けなかったといい、「経済的に恵まれない子どもの苦しさは身にしみて知っている」と感じている。

 苦学の末に大学院を出て、自動車会社に技術者として勤務し、海外駐在も経験した。「給付金に頼らないでも普通に暮らせる今の自分に、何ができるのか。社会的な弱者のこと、国のお金の使い方のことを真剣に考えるきっかけになった」と振り返る。

 感染拡大を避けるため、子どもたちに無料で食事を出す子ども食堂の形式は自粛中だが、その代わりに子育て世帯に食材などを無料で配るフードパントリー(食品を無料で提供する支援活動)に取り組んでいる。今回の寄付は食材を買う資金に充てるという。

 山崎さんは「給付金の受け取り前の寄付というので驚いたが、決断のスピード感が違う。足りない食材を、この資金でそろえたい」と感謝していた。(鈴木裕)