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 新型コロナウイルスの影響で、活動が制限されている高校球児たち。夏の大会が開催されるかといった不安な思いを抱えつつ、それでも前を向き、チャレンジする姿が各地にある。

 春夏の甲子園に計36回出場している強豪・報徳学園(兵庫)。部員全員が普段から使っているアスリート向けの体調管理用アプリが休校期間中に役立った。

 小園海斗(プロ野球広島)らが最上級生になった2017年秋、故障者が相次いで苦しんだ際に、対策として導入した。日々の睡眠時間や食事量、故障から復帰までの経過などを記録・管理できるツールだ。大角健二監督にとって、「最初は生徒の野球日誌代わり」だったという。

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、2月28日から春休みに入る3月23日までが休校期間となった。すると、アプリのなかにあるメッセージや連絡ボードの機能が頻繁に使われるようになった。監督から部員への励ましの言葉や部屋の中でできるトレーニング方法の動画を共有してきた。

 春休みに部活動が再開した。実戦形式の練習では、「思ったよりも動きがよかった」と大角監督。しかし、緊急事態宣言を受け、4月8日から再び休校に。「再開後はいい形でチームづくりができていただけに、2度目の休校は選手の精神面が心配でした」と振り返る。

 休校に入る前日、監督は色紙を買い集め、卒業したばかりのOBとともに筆を走らせた。「辛抱して日本一へ」。練習後、部員全員に配った。「1人のときに、これを見て踏ん張れ」

 部員たちには日頃から、監督に言われ続けてきた言葉がある。「私服のときの力が自分の力だ」。ユニホームや制服を着ているときではなく、プライベートの時間にどれだけ努力できるか――。

 主将の三宅雄雅(3年)は、「こういう時だからこそ、『日本一になる』ということを頭にたたき込んで残りの期間しっかり準備していこう」と連絡ボードに書き込み、チームの一体感を高めた。アプリ上のやりとりでは、色紙のメッセージが合言葉になった。

 「こういう状況になって、子どもたちやスタッフをつなげる大事なツールになっています」と大角監督は言う。2度の休校のなかで、このアプリの役割は大きく変わった。(小俣勇貴