拡大する写真・図版米中争覇 情報戦

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 「この1年で、3人が中国のためにスパイをしていたことが明るみに出た。悲しいことに、いずれも情報機関にいた者たちだ。職員たちに強い警告を出さなければならない」

 米バージニア州の連邦地裁。2019年11月、スパイ罪に問われた中央情報局(CIA)元職員ジェリー・チャン・シン・リーの公判に臨んだ検事は、こう言って厳罰を求めた。

 米国では19年、5月にCIA、9月には国防情報局の元職員が中国に協力したとして実刑判決を受けた。

 中でも禁錮19年の実刑判決を受けたリーの事件の衝撃は大きかった。諜報(ちょうほう)分野における米中の対立は、米ソ冷戦の再来そのものといえる状態にあることを浮き彫りにしたからだ。

拡大する写真・図版元CIA職員ジェリー・チャン・シン・リー被告=AP

 判決などによると、香港出身で米国籍を持つリーは、1994年からCIA特殊要員として東京や北京などで勤務した。2007年にCIAを去った後、香港に戻り、日本企業の現地法人で働いていた。10年4月に中国の情報機関員と接触。米国の機密情報を渡して数十万ドルを受け取った。

 捜査を担った連邦捜査局(FBI)防諜(ぼうちょう)局長補佐のジョン・ブラウンはこの事件で「国家の安全とCIAの職員らが深刻な危険にさらされた」と語る。

 深刻だったのは、リーが渡した情報にCIA工作員や協力者の名や電話番号、特殊な暗号を使った通信方法が含まれていたことだ。

 17年5月、米紙ニューヨーク・タイムズは、米国が中国内に張った諜報網に起きた異変を報道。10年から12年の間に十数人のCIA協力者が殺され、ある者は見せしめで政府庁舎の中庭で射殺されたと伝えた。

米中の情報戦は、新型コロナを巡っても繰り広げられています。その内幕を追いました。

 同紙は当時、CIA協力者たち…

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