拡大する写真・図版米ラスベガスで開かれた家電見本市「CES」では、クアルコムがスマホ向けの5Gの技術を宣伝していた=2019年1月

[PR]

 世界各国が普及にしのぎを削る次世代の通信規格「5G」。出遅れが目立つ日本政府は国内での普及加速のために、民間企業への支援策を盛り込んだ新法案を今国会に提出し、5月中の成立が見込まれる。法案には携帯電話大手などの投資を後押しするための大幅な優遇税制も盛り込まれた。しかし、その過程では、各省庁の思惑が入り乱れ、決定までの道のりは異例の展開をたどった。

 昨年12月2日。国会議事堂のそばに立つ衆院第二議員会館の会議室は、熱気に包まれていた。5G用の基地局整備などに対する国の支援を求める決起集会が開かれていた。60人を超える与党議員や企業・業界団体の関係者を前に、情報通信政策を担う総務省の秋本芳徳審議官が支援策の実現に「力を尽くす」と決意を述べた。産業政策を所管する経済産業省の西山圭太・商務情報政策局長も「総務省と力をあわせる」と続いた。

 両省がタッグを組み、5Gの普及促進という政府共通の目標に向かって進んでいる。表面的には確かに、そう映る光景だった。

破格の要求

 5Gは通信速度が、いまの「4G」と比べて数十~100倍速い。4Gだと5分かかる2時間映画のダウンロードは、5Gでは3秒で済む。用途はスマホやタブレット端末にとどまらない。車やドローンの自動操縦、遠隔医療など幅広く、少子高齢化や過疎化が深刻な日本の課題解決にもつながると期待されている。

 ところが、日本の対応は遅れて…

この記事は有料会員記事です。残り2082文字
ベーシックコース会員は会員記事が月50本まで読めます
続きを読む
現在までの記事閲覧数はお客様サポートで確認できます
この記事は有料会員記事です。残り2082文字有料会員になると続きをお読みいただけます。
この記事は有料会員記事です。残り2082文字有料会員になると続きをお読みいただけます。