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 子どものゲーム時間を定めた香川県ネット・ゲーム依存症対策条例は、親や子がゲームをする時間を決める自由を侵害し、憲法違反だなどとして、高松市の親子が県を相手取り、計154万円の損害賠償を求める訴訟を高松地裁に起こす方針であることがわかった。代理人弁護士が朝日新聞の取材に明らかにした。

 原告となるのは高校3年の男子生徒(17)と母親(42)。条例は議員提案で3月に可決され、4月から施行されている。

 訴えによれば、親や子にはゲームをする時間を決める自由がある。ゲーム時間を「平日60分」などと制約した条例の規定は、憲法13条が保障する幸福追求権を侵害して違憲などと主張。さらに、条例は家庭内での教育を目的とするが、家庭内で児童を自由に教育できるのは親で、児童に対する教育権限は県にはない。そのため家庭での児童の教育は地方自治体の「事務」に該当せず、憲法が「法律の範囲内」と規定した条例制定権の限界を超えたものだとも訴えている。

 生徒は1月、条例案に反対する署名をネットで集めて県議会に提出。朝日新聞の15日の取材に対し「僕たち当事者の声が全く届いていない。可決されて憤りを感じた」と話した。訴訟費用は、ネットのクラウドファンディングで募り、9月にも提訴したいという。

 県議会事務局は「コメントできない」としている。

 条例は、18歳未満のゲーム利用を1日60分(休日は90分)とし、スマートフォンとゲームは中学生以下は午後9時まで、それ以外は午後10時までにやめるのを目安に、家庭でルールをつくって守るよう義務づけた。罰則はない。(木下広大)