集団感染の千葉の福祉施設、ほぼ全員が回復 教訓を共有
新型コロナ集団感染が起きた障害者福祉施設「北総育成園」(千葉県東庄町)について、県と設置者の船橋市は15日、入所者と職員のほぼ全員が回復した、と発表した。入所者2人がなお入院中で、入所者2人が亡くなっていたことも明らかにした。県内の死者としては既に発表されており、住所などが非公表だった。
県によると、入所者50人と施設の全職員の陰性が確認された。2週間後に職員を再度PCR検査し、陰性ならば収束とする。これに先立ち、支援のため、施設内に置かれた県や船橋市の対策本部は解散された。
施設では、3月27、28日に入所者、職員ら計58人の感染が判明し、これまでに県内で関係者家族を含む計121人の感染が確認された。知的障害のある人が入院すれば入院先の病院の負担が重くなることなどから、主に施設内で診療にあたっていた。
県は今後、北総育成園で経験した感染者と非感染者の区域分け(ゾーニング)や防護服の替え方について、他施設と共有する。施設の集団感染の原因については、支援対策本部長を務めた石出広・県健康福祉部次長は「はっきりわからない」とした。
船橋市は当初から、市の保健師や看護師、一般職員を派遣し、マスクや防護服なども支援してきた。職員の派遣は14日に終え、今後は物的支援を続ける。
船橋市の松戸徹市長は支援する際の課題について「集団感染が起きた場所に、家族がある人を送れるかというと、非常に難しい問題。国や県には、どのような研修をして人材確保を進めるかなど、実践的な指針をつくってほしい」と述べた。(上田雅文、平井茂雄)
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