[PR]

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴う国の緊急事態宣言が福岡県でも解かれ、県は商業施設の休業や営業時間短縮の要請を一部解除した。北九州、京築、筑豊の各地域でも感染の「第2波」に警戒しながら、店の営業や学校の再開といった日常を、徐々に取り戻そうという動きが出ている。

 営業自粛や時間短縮を求められていた飲食店や商業施設は再開に動き出した。

 田川市新町の居酒屋「菜(な)ひろ」は16日に営業を再開。店主の山下千恵子さん(69)は15日朝から店内の消毒に精を出した。緊急事態宣言が出た翌4月8日から休業し、40日近く。「苦しかった」と振り返った。

 この間も、店の家賃やカラオケのリース代などは発生し、「もう休んでおれない」と思い詰めていた。待ちわびていた自粛・時短要請の解除に「頑張ろう」と奮い立った。

 北九州市の井筒屋は食品売り場だけを営業していた小倉本店(小倉北区)、黒崎店(八幡西区)の全館営業を16日午前10時から再開する。店内には人と人との間隔をあけるための目安を示し、小倉本店では人の密度を一定以下に保つよう、入店を制限するという。

 15日に小倉本店の食品売り場を訪れた戸畑区の女性(79)は「見たいもの、買いたいものがたくさんある」と再開を喜んだ。

 アミュプラザ小倉(小倉北区)は19日午前11時、チャチャタウン小倉(同)は20日午前10時、全館で営業を再開する。専門店街が休館しているイオンモールの八幡東(八幡東区)、直方(直方市)も全面再開に向けて検討しているという。

 一方、キャバレーやカラオケ店、スポーツクラブなどは引き続き営業の自粛を求められている。

 カラオケ店「コロッケ倶楽部」を経営する「ボナー」(同市)は4月8日から休店中。北九州市内だけで18店舗あり、従業員やアルバイトは休ませている。歌野繁美社長は「パチンコやネットカフェは営業を認められ、なぜカラオケはだめなのか」と悔しがりつつ、「何かあったら取り返しがつかない」と自粛を続ける考えだ。

 同市小倉北区のスポーツジムも休業を続ける。この間、会員への返金や退会希望者への対応に追われ、赤字が膨らんでいるという。男性スタッフは「休業を要請するなら、ちゃんと補償をしてほしいが、少ないし遅い」と、国や自治体の対応に不満をぶつけた。

 多くの学校が6月を待たずに再開する。

 北九州市教委や飯塚市教委は当初予定の6月1日から1週間早め、25日から市立小・中学校を再開する。29日までは午前授業とし、給食を再開して通常授業は来月1日から行う。

 北九州市教委は再開前の18日から1人1回の分散登校を行う。小学生の子2人を持つ北九州市内の母親は「引き続き(感染防止に)気をつけないといけない」と話した。

 飯塚市教委は各学校に体温が測定できるサーマルカメラを配備し、感染予防に努める。

 豊前市教委は25日に小・中学校で始業式をする。

 直方市教委は段階的に再開。20~29日の午前に分散し、小学生が1人4日、中学生が1人5日登校する。

 一方、田川、宮若の両市教委は予定通り来月1日再開を目指す。分散登校を増やすなどし、休校が2カ月半に及ぶ子どもたちに生活リズムを取り戻してもらう。

 北九州市教委は2学期制を導入する今年度、夏休みを8月6~16日の11日間に短縮。その他も8月中旬の2週間程度に短縮するところが多い。

関連ニュース