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 新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、自治体が住民の生活支援のために水道料金を減免する動きが広がっている。中には半年間無料という「大盤振る舞い」をする市もあり、水道事業の収益悪化や、夏に向けて節水意識の低下につながらないかとの懸念もある。

 17日までに少なくとも114市町村が、主に一般家庭や個人事業者の水道料金を無料にしたり、減額したりする方針を決めた。自治体の公営事業のコンサルタント業務を請け負うEY新日本監査法人の福田健一郎シニアマネージャーが集計した。

 上水道は自治体の公営事業のため、首長の判断で料金の減免がしやすい。在宅勤務や休校の長期化で家庭での水道使用量は増加傾向にあり、減免で公共料金の負担を減らし、生活困窮者や休業が長引く飲食店などの個人事業者を支援する狙いがある。

 コロナ禍で失業した世帯を対象としたり、使用量などに一定の条件を設けたりして減免する自治体があるほか、特段の条件なく一律無料化や減額に踏み切る自治体も。期間も1~6カ月間と自治体で差がある。

 兵庫県小野市は、5月の検針分から6カ月間、一般家庭と個人事業主の水道料金を無料にする。基本料金のほか、使用量に応じて請求される従量料金も無料とする。市水道部は「テレワークなど自宅で過ごす時間も多く、水道利用が増えている。経済的負担を軽減し、明るい話題を提供したい」とする。

 市によると、一般家庭の平均的な水道使用量として月20立方メートル使った場合、6カ月間で1万6500円になるという。同じく飲食店などの個人事業主では月50立方メートルの使用で5万3460円。対象は約2万件で、無料化による収入減は約3・5億円。市の水道事業の利益は年約2億円といい、水道施設の改修などにあてる水道事業会計の剰余金などで賄うとしている。今後については「水道管の更新などの計画を見直していく」としている。

 兵庫県では三木市、加西市、西脇市も6カ月間、三田市は4カ月間無料となる。静岡県熱海市も1カ月間無料とする。

 神奈川県は5月から、厚木市、鎌倉市など12市6町に供給している県営水道の全利用者の料金を4カ月間、10%減額する。対象は135万戸、利用者は282万人。4人家族で月30立方メートルを使った場合、月440円安くなる。県水道部は「減額分は手洗いに必要な量。感染予防のためにも、しっかり手洗いやうがいをしてほしい」としている。

 大阪市は7月の検針分から3カ月間、166万件で基本料金を無料にする。合わせて下水道使用料の基本料金も無料とするため、一般家庭では3カ月で計4620円安くなるという。影響額は80億円。名古屋市や鹿児島市なども基本料金を無料にする。

 福田氏は「水道料金の値下げは自治体が迅速に打てる経済対策の一つだが、節水意識の低下につながったり、料金収入が減って老朽化した水道施設の改修に支障が出たりする懸念もある」と指摘している。(座小田英史)

家庭用の水道料金を減免する主な自治体

《基本料金、従量料金とも…

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