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 南米ブラジルで、4月17日に就任したばかりのネルソン・タイシ保健相が15日、辞任した。新型コロナウイルスの感染拡大が続くなか、商業活動の再開などを強く求めるボルソナーロ大統領と方針が対立したという。タイシ氏の前任の保健相も、新型コロナへの対応をめぐってボルソナーロ氏から解任されていた。

 医師でもあるタイシ氏は15日の会見で「人生は選択で成り立っており、きょうは辞任することを選んだ」と述べる一方、辞任の理由を明確には語らなかった。だが、新型コロナの感染拡大防止に向けた外出自粛を容認したため、「経済が壊れる」と主張するボルソナーロ氏と対立していることが報じられてきた。また、ボルソナーロ氏は、マラリア治療薬の「ヒドロキシクロロキン」を新型コロナの初期症状にも使うべきだと主張しているが、タイシ氏は「研究が不足している」として慎重な姿勢を示していた。

 ブラジルでは、感染抑止のため、サンパウロなどの州知事らが商業活動の停止を命じ、外出の自粛を求めている。医師出身のマンデッタ前保健相は外出自粛を支持し、先月16日に解任された。保健省顧問を務めたタイシ氏が後任に就いていた。

 ブラジル保健省の15日の発表によると、国内の感染者数は21万8223人、死者は1万4817人に上る。米ジョンズホプキンス大の集計では、ともに世界で6番目に多い。(サンパウロ=岡田玄)