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 新型コロナウイルスの影響でマスクの需要が高まる中、繊維業界で活躍する職人たちが、本業を中断してマスク作りに力を注いでいる。技術の詰まった商品は使い心地がよく売れ行き好調。産地一体で取り組む背景には、伝統産業の担い手の雇用確保という狙いもある。

「産地の底力を実感した」

 「ショール屋やめてマスク屋になります」

 兵庫県西脇市のアパレルメーカー「tamaki niime(タマキニイメ)」。ショールを中心にした播州織の商品を国内外に展開する同社が、主力商品の生産を一時停止し、マスク製造に全力を注ぐとホームページで発表した。

 きっかけは1月下旬、グループLINEに送られたスタッフの一言だ。「あちこちでマスクが売り切れています。大至急作れたら良いのになと思いました」

 デザイナー兼社長の玉木新雌(にいめ)さん(42)は、すぐにマスク作りを決断。翌日には試作品が完成した。昔の織機を使い、手織りに近いスピードでゆっくりと織った生地は空気を含み柔らかい肌触り。着け心地の良さや色の美しさが人気を集め、4月に始めたオンライン販売には2日間で2千枚の注文があった。

 同市や多可町を中心とした北播磨地域は播州織の一大産地。アパレル店舗や百貨店の休業は、産地を直撃し、周囲の工場からは、どんどん仕事がなくなっていた。玉木さんは縫製を、周囲の工場へ依頼し、増産体制を整備。現在工場10社、内職の縫製職人30人がマスクを縫う。自社の従業員60人も総出で、4月末までに2万1千枚を出荷した。

 玉木さんは「自社だけで作れる数は知れていた。ものづくりの現場がつながって、産地の底力を実感した」と話す。今では計3種類(2200~4950円)を店頭や公式オンラインショップで販売する。

■マスクの売り上げで乗り…

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