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 千葉県内の酒造会社が、手指消毒の代替品として使える高濃度アルコールの製造に相次いで乗り出している。新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、消毒液不足に悩む医療機関や福祉施設などに届けたいとしている。

 守屋酒造(山武市、0475・86・2016)が1日に発売した「舞桜77」(500ミリリットル入りで1本1610円、税別)のアルコール度数は77度。贈答用の純米焼酎「守正」を再蒸留してアルコール分を高め、香料代わりに純米大吟醸「舞桜」を加えてスピリッツの規格で仕上げた。

 厚生労働省は4月、高濃度アルコールを消毒液の代わりに使用可能とする通知を出した。同社に県内外から問い合わせが入るようになり、製造を決めた。税務署に相談し、高濃度スピリッツの製造許可を得た。「飲用不可」と表示するなどの条件を満たすことで、酒税は課されなくなったという。

 消防法の関係で、1日の生産量は約80リットル。守屋酒造の5代目蔵主、守屋雅博さん(56)は「最前線で消毒液が不足している現状を肌で感じる。当面は製造を続けたい」と話す。

 大網白里市の医療法人社団「昌健会」はさっそく20本を購入。訪問診療や訪問看護を手がけており、医師や看護師は車に消毒液を積んで患者の家を回る。「高齢の患者が多いので消毒を徹底しています。消毒液が残り少なくなっていたので、高濃度アルコールが手に入ってほっとしました」と佐藤一志事務局長。

 鍋店(成田市、0476・22・1455)は、備蓄していた日本酒の香味の調整に使う「醸造用アルコール」を65度に希釈、「仁勇 アルコール65%」(500ミリリットル入り、1本千円、税別)として15日に発売した。3600本を製造し、この日、地元の成田市と神崎町に計600本を寄贈した。大塚完社長(64)は「酒造メーカーとして、少しでも地域の皆様のお手伝いができれば」という。県内の医療機関や介護施設などへ優先的に供給する。

 飯沼本家(酒々井町、043・496・1111)も、醸造用アルコールを66度に調整した「KINOENE ALCOHOL66」を11日に発売した(720ミリリットル入り、1225円、税別)。「医療機関から早めにほしいという依頼がすでに入っている」と担当者は話す。約4千本を製造する予定で、医療機関や介護施設などに優先販売する。(青山祥子)