拡大する写真・図版外出禁止などの規制が一部解除され、ローマの観光地「トレビの泉」に立ち寄る市民も少しずつ増え始めた=5月16日、河原田慎一撮影

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 新型コロナウイルスの感染で死者が3万人を超えるなど深刻な影響を受けたイタリアが、同国に入国する人に義務づけている14日間の隔離措置を6月3日から一部に限って撤廃する。国内の移動も全面的に解禁する予定で、欧州の多くの国から観光客の受け入れが可能になる。各州内の移動は今月18日から自由にする。

 コンテ首相が16日、会見で発表した。イタリア政府は3月中旬から観光目的の移動を禁止し、入国者についても14日間の自己隔離を義務づけてきた。コンテ氏はこの措置について、欧州連合(EU)加盟国と、人の自由な移動を認める「シェンゲン協定」参加国からの入国者を対象に、6月3日から撤廃するとした。

 観光業は同国の国内総生産(GDP)の約13%を占める主要産業の一つ。コンテ氏は今回の措置が「観光業の再開を後押しするものだ」と述べた。夏のバカンスシーズンを前に、ドイツなど欧州各国からの観光客を呼び込み、経済復興につなげたい考えだ。

 国内の移動についても、6月3日から全面的に解禁する方針。それに先立ち、今月18日からは州内の移動を自由にし、小売店や博物館、サッカー1部リーグ(セリエA)の練習などについても再開を認める。

 こうした規制緩和は、州ごとの感染拡大状況などをもとに判断される。コンテ氏は、感染が最も集中した北部ロンバルディア州でも「感染拡大は落ち着いている」としつつ、「再び感染スピードが上がれば再開はできなくなる」と述べ、感染拡大の状況によっては州の判断で規制の継続もできると指摘した。人の密集を避けたりマスクを着けたりする感染防止策も、引き続き取るように呼びかけた。(ローマ=河原田慎一)