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 困窮する子どもや女性、外国人らを支援する団体に、市民の寄付を届ける基金を「ひょうごコミュニティ財団」が設立した。新型コロナウイルスの影響で、支援団体の活動が難しくなっているためだ。「立場の弱い人を支援する活動を支援する」という基金の信念は、阪神・淡路大震災からの復興が原点だ。

 公益財団法人のひょうごコミュニティ財団(神戸市中央区)は、25年前の阪神・淡路大震災で生まれた六つの支援団体が母体で、東日本大震災の復興支援をきっかけに一つになった。これまでにも市民活動への寄付を募り、県内158の団体に計約6400万円を助成してきた。

 「学校に行きたくても行けなくなった子どもや、DV被害を受けている女性、日本語が理解できない外国人など、居場所を失いつつある人がいる」。財団の代表理事を務める実吉威(じつよしたけし)さん(54)は、新型コロナウイルスの影響についてこう話す。

 感染防止のため、支援団体の対面での相談や交流の場が少なくなっていることに加え、資金不足が背景にある。活動を支えていたバザーや食事会ができなくなったり、企業活動の縮小でニュースレターの広告収入が減ったりしている。「数万円でも支援があれば助かる」という声が財団に届いているという。

 新たに設立した基金は「ひょうご・みんなで支え合い基金 コロナから始まる共助社会」と名付け、市民から寄付を募る。各支援団体の対面相談にかわるオンラインでの新しい活動や、資金繰りの面で継続が難しい活動をサポートする方針だ。「こうした活動は、経済や医療ほど注目されないが、確かに命を支えている。大事な活動を続けてもらうために、基金を活用してほしい」

 財団が直接困っている人にお金を出すのではなく、各支援団体がこれまで築いてきた地域とのつながりや信頼関係を生かせるよう、資金や広報の面でバックアップしていく考えだ。

 あくまで「裏方」に徹するのは、阪神・淡路大震災からの復興に関わってきた実吉さんの経験があるからだ。

 現場で活動していると、目の前にいる人たちの支援で精いっぱいになる。どうしても活動の広報に手が回りにくくなる。震災の直後は復興支援の活動に注目が集まっていたが、次第に風化していった。「現場が一生懸命になっている時こそ、活動をつなげるため、外にアピールしていく存在が必要だと感じたんです。市民の思いと支援団体との架け橋になりたい。それをずっとやってきました」

 寄付の募集は今年末まで続ける予定。6月に予定している1回目の助成は、数百万円規模を目標にしている。助成する団体は、専門家らでつくる選考委員を通じて選ぶ。クレジットカードのほか、銀行振り込み、郵便振替でも寄付ができる。口座番号など、詳しくは財団のホームページ(https://hyogo.communityfund.jp/sasaeai/別ウインドウで開きます)で。問い合わせは専用ダイヤル(050・3628・7897)。(西田有里)