新曲は「これでイチコロナ」 アイドルが感染防止に奮闘
新型コロナウイルスが猛威をふるう中、木更津発のアイドルが感染拡大をくい止めようと奮闘している。除菌液を無料で配ったり、コロナ対策ソングを歌ったりして、「苦しいときも一緒に乗り越えよう」と呼びかけている。
雨が降りしきる15日昼、君津市南子安の一角。「仏恥義理(ぶっちぎり)アイドルC-Style」が切り盛りするキッチンカー「房総族」が開店した。注文が入ると、メンバーの八剱咲羅(やつるぎさくら)さん(21)と潮干狩鯏(しおひがりあさり)さん(19)が、手際よくクレープを巻いていく。
販売とともに、地元企業と作った次亜塩素酸水の除菌スプレーの無料配布もしている。空ボトルが品薄で数が限られたが、4月から延べ約600本を配った。ほかにボトルを持参してくれた人に延べ約3千本分を提供。多くの人の手に除菌液が行き渡った。
2人の写真がデザインされたボトルを受け取ったファンの男性は「地元のことを考えてくれていると思うと、応援したくなります」と笑顔だ。
店頭では、コロナ対策ソングとして発表した「これでコロナもイチコロナ」が流れる。軽快なメロディーにのせて、手洗いやうがいの大切さをアピールする曲だ。感染拡大を受け、急きょレコーディングをし、事務所でミュージックビデオを撮影した。
4月にネット上でビデオを公開すると、振り付けをまねしたファンが次々とSNSに動画を投稿。八剱さんは「みんなで頑張ろうという思いも込めた曲。家で楽しんで踊ってもらえてうれしい」と話す。
2013年の結成時に6人だったメンバーは、加入と卒業を繰り返して2人に落ち着いた。地元での活動にも力を入れ、17年に「いじめ反対運動」のピンクシャツデー千葉公認スペシャルサポーター、18年に木更津ふるさと応援団に就任するなど貢献する。
昨年9月の台風15号で房総半島が被災した時には、予定していたライブを中止。被災地へキッチンカーを走らせ、連日約400個のクレープを配った。
「台風でもコロナでも大変なときだからこそ、地元の力になりたい」と潮干狩さん。八剱さんは「自分たちの大きなライブもなくなったけど、上を向いていくしかない。地元のアイドルとして、みんなで頑張ろうと発信し続けたい」と力を込める。
いずれも週末の23、24、30、31日には、君津市南子安7丁目のサンエー千葉支店にキッチンカーを出店し、除菌液を配る予定。午前11時30分~午後5時。希望者はペットボトルやスプレーボトルの持参を。「これでコロナもイチコロナ」のミュージックビデオは、ユーチューブ(https://youtu.be/zvWeDu2SrhE)で公開されている。(今泉奏)
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