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 零下12度の冷気の中、白い息を吐きながら、取材エリアに陣取った私は青ざめていた。2018年2月12日夜にあった、平昌(ピョンチャン)五輪の男子モーグル決勝。上位6人でメダルを争う最後の3本目に、日本勢が一人だけ残っていた。原大智(日大=当時)だ。

 メダル獲得なら今大会の日本勢第1号、大きく伝えることになる。なのに、ワールドカップですら一度も表彰台に上がったことのない20歳(当時)の原稿など、正直言うと、用意していなかった。新聞の締め切りが迫る。焦りだけが募った。「誰だよ、原って……」。報道陣の輪の中で、誰かがつぶやいた。

 ただ、全長250メートルのコースの先、スタート台に立った原は落ち着いていた。「もう楽しくて。失敗する気がしなかった」

拡大する写真・図版2018年の平昌五輪で、男子モーグル銅メダルに輝いた原大智

 理由がある。斜度27度の平昌のコースはコブの一つ一つが大きく、とがっているのが特徴。間隔も狭い。苦手意識を口にする選手が多く、「攻略には難しい技術が必要」と日本代表の城勇太コーチ。だが、原だけが違った。「好きですね、僕は」。現地入り直後から好感触を語っていた。

 モーグルは派手な空中技が注目…

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