「三国志演義」の個人全訳で知られる中国文学者で国際日本文化研究センター名誉教授の井波律子(いなみ・りつこ)さんが13日、肺炎で死去した。76歳だった。葬儀は近親者で営んだ。喪主は夫で京都大名誉教授の陵一(りょういち)さん。

 富山県出身。京都大大学院で中国文学を学び、金沢大学教授を経て、95年4月から09年3月まで日文研教授を務めた。「世説新語」「水滸伝」など中国文学の古典を幅広く翻訳。「中国の五大小説」など著書も多く、親しみやすい語り口で中国の文学と歴史の魅力を紹介した。07年、「トリックスター群像」で桑原武夫学芸賞。

 朝日新聞書評委員(98年4月~01年3月)、大佛次郎賞選考委員(10~13年)も務めた。

 今年3月、京都市内の自宅で転倒して頭を打ち入院。誤嚥(ごえん)性肺炎を併発して、治療を続けていた。