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 新型コロナウイルスの感染拡大で巣ごもり傾向が続くなか、絵本などをオンラインで朗読したいという相談が出版社に相次いでいる。だが、認められるのは一部という。なぜダメなのか?

 「登園できない園児たちにオンラインで絵本の読み聞かせをしたい」。「ぐりとぐら」などで知られる児童書の老舗、福音館書店には、こんな相談が殺到している。その数は最近1カ月で約500件に上った。許諾の条件は作家によって異なるが、同社はテレビ会議システム「ズーム」などを使って保育園が園児限定で配信するなど、期間や範囲を限った利用について、一部は無償で認めている。

 ブロンズ新社にも今春、130件以上の申請があった。累計約690万部の「だるまさん」シリーズなど、多くの作品について作家に確認の上、配信を断ったという。編集部の佐古奈々花さんは「緊急時とはいえ、絵本そのものを楽しんでほしいという作者側の思いがある。配信されると転載の恐れもある」と話す。

 一方、フレーベル館は昨年から自社で読み聞かせ動画を配信中。「作者側も納得した質の高い動画を公開し、無許諾動画に流れるユーザーを引き寄せたい」と担当者は言う。

 著作権法は、小学校や幼稚園、家庭内での朗読や読み聞かせを認めているが、その様子を撮影してネット配信するには作家ら著作権者の許可が必要だ。出版社は作家の意向を確認して可否を申請者に伝えているが、許可しているケースはまだ少ないようだ。

 前向きな動きもある。芥川・直木賞作家ら約2千人の会員を抱える「日本文芸家協会」は、図書館による朗読動画の配信を期間限定で認める方針だ。絵本作家や詩人らの著作権を管理する「日本ビジュアル著作権協会」も、中川李枝子氏や五味太郎氏、茨木のり子氏ら約200人の作品について同様の方向で了承をとった。

 いずれも、全国の図書館が閉館や3密対策で、読み聞かせをする「おはなし会」を開けていないことを受けて、日本図書館協会が協力を要請したことに対応するものだ。2団体ともに著作権料は徴収しない方針という。

 ただ、一般の人からの申請に対しては、両団体ともに慎重な姿勢だ。背景には、著作権を集中的に管理する仕組みが整っていないという事情がある。

 音楽では、日本音楽著作権協会…

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