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 12世紀の初めに欧州で大雨や冷夏が数年続き、作物の不作と飢饉(ききん)をもたらした異常気象の原因が、浅間山の噴火だったかもしれない――。スイスの研究チームが、グリーンランドの氷河を柱状にくりぬいた「氷床コア」の分析や過去の文献調査から、そんな論文を科学誌サイエンティフィック・リポーツに発表した。噴火による大量の微粒子が地球を覆い、太陽の光を遮ったと考えられるという。

 大規模な噴火が起こると、二酸化硫黄などの火山ガスや火山灰が成層圏まで巻き上げられ、太陽の光を遮る。ガスは酸化して硫酸塩になり、北極や南極周辺に落ちてくると、氷床に閉じ込められる。

 この時期の異常気象はこれまで、1104年に噴火したアイスランドのヘクラ火山が原因と考えられてきた。しかし、研究チームが今回、氷床コアを詳しく調べたところ、硫酸塩が急激に増えたのは1108~13年で、ヘクラ火山の噴火時期とはずれていることがわかった。

 チームが欧州に残る古い文献を探したところ、1110年に欧州で見えた皆既月食が極めて暗かったという記録が見つかった。月食は、月が地球の影に入って隠される現象。ふつうは地球の大気を通って回り込んだ太陽の光によってわずかに赤く光るが、大規模な噴火があると大気を通り抜ける光が弱まって暗くなる。

 記録には、「5月5日の夜、空は一晩中、非常に澄んでいて、星々は明るく輝いていたのに、夕方に昇ってきた月は徐々に消え、完全に見えなくなった」とあった。近年も、フィリピンのピナツボ火山が噴火した2年後の1993年の皆既月食は灰色で暗かった。

 一方、ヘクラ火山の噴火の3年後にあった1107年の皆既月食は赤く見えたという文献も見つかった。この記録が正しいなら、ヘクラ火山の影響は3年後までにいったん落ち着いていたことになる。

 チームは、木の年輪の研究も調…

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