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 ツイッター上で急速に抗議の声が広がってから、1週間余り。そのうねりはやまず、18日、検察庁法改正案は今国会での成立断念に追い込まれた。検察に対する「政治介入」への危機感から声をあげた市民や検察OBは手応えを感じつつも、今後の成立を目指す姿勢を変えない政府・与党への警戒を解いていない。

「油断できない」飛び交う警戒

 国会前では18日午後も、ひとりの男性が抗議を続けた。「検察庁法 改正反対」の紙を掲げ、マスク姿の小室昭夫さん(34)。千葉県鎌ケ谷市の自宅から通い、この場に立ち続けて6日目になる。今国会では断念が決まったが、「ほとぼりが冷めた時にまた提出してくるのでは」と不信感が消えないという。

 新型コロナウイルスの影響で、小室さんの職場は休業中。完全歩合制なので給与は出ない。「いま、政府はコロナで大変な目にあっている人たちの救済に全力を注ぐべきだ」と話す。

 抗議が広がったツイッター上では「反対の声が届いた」「ツイッターデモの勝利」と歓迎する声が相次いだ一方で、「まだ油断できない」「撤回するまで言い続けよう」などと引き続き警戒が必要だという呼びかけも飛び交った。

 「検察庁法改正案に抗議します」という#(ハッシュタグ)をつけて、8日夜に最初にツイッターに投稿した30代の女性会社員も取材に「賛同してくれた人にお礼を言いたい。よかった」と語りつつ、「国民が忘れた頃の採決を狙っているのかもしれない」との不安は消えていない。フォロワーから自民党が過去に強行採決してきたことを教えてもらったからだ。

「都合の悪い声、見ない」

 政府の世論の受け止め方にも疑問を感じた。「都合の悪い声が広がった時は見ないふりをしようとして、都合の良い世論には向き合い、大人げない」。そう思った理由は、菅義偉官房長官の言葉だ。抗議は9日から10日にかけて著名人の投稿が拡散されるなどして一気に広がったが、菅氏は会見で「コメントは差し控える」と述べただけ。一方、ミュージシャンの星野源さんが歌う動画に合わせ、安倍晋三首相が自宅でくつろぐ動画が4月に投稿された時は「過去最高の35万を超える『いいね』をいただくなど多くの反響がある」とコメントをしていた。

 女性はツイッターで、抗議したことに対する批判の声も浴びせられてきた。「国民がこういうことをやらなくてもいいように、これからは国会でちゃんと議論してほしい」と願う。

検察OB「ほっとしています」

 15日に改正案に反対する意見書を出した松尾邦弘・元検事総長(77)は「国民の声に耳を傾けたベターな判断」と評価した上で、「廃案になったわけではない。警戒心をゆるめずにしっかり見守り、問題があれば検察も声を出すことが必要だ」と話した。

 意見書の提出を呼びかけた清水勇男・元最高検検事(85)は「法案の必要性を具体的に提示しなければ、国会に何回提出してもだめだ。きちんと法案を練って、提出するかどうか検討してほしい」と指摘。ネット上や世論で抗議が広がったことについては「多少力を貸すことができたのなら、OBとして苦労したかいがあった。ほっとしています」と話した。

識者の見方は?
検察庁法改正案の成立見送りの背景にあったのが、ツイッター上で急速に広がった「抗議の声」です。今回の現象について中川淳一郎さん、青木理さんに聞きました。

■中川淳一郎さん(ネットニュー…

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