拡大する写真・図版営業を続けるインターネットカフェでは、マスクの着用やアルコール消毒を呼びかけるポスターが掲示されている=2020年5月18日午後5時25分、前橋市内

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 新型コロナウイルスの影響で、群馬県から休業を求められているインターネットカフェ。「感染リスクが高い」というのが理由だが、要請に応じず、営業を続けている店舗も多い。

 金曜日午後9時の前橋市。インターネットカフェ入り口の貼り紙には「マスク着用」の文字。その奥では、ダーツやビリヤードを楽しむカップルらの姿が見える。24時間営業のこの店の向かい側にはゲームセンターがあり、駐車場は8割近く埋まっていた。

 20~30代くらいの若者客が多い店内で、高齢者の姿が目を引いた。

 「家族との関係がぎくしゃくして……。でも年金が頼りだから、毎日は来られない」。70代の男性はそう話す。軽乗用車の中で生活し始めて1年ほど。車内には着替えの服や、空のペットボトルが散乱する。

 週の半分はネットカフェで眠り、朝を迎えるという。ネットカフェはシャワーが使え、テレビやインターネットも好きなだけ見られる。足を伸ばして寝られるのも快適だ。ただ、1泊すれば、安くても1500円以上するため、残りの半分は車内で寝泊まりする。

 「ネットカフェで過ごす時間は気が楽。営業してくれているのはありがたい。いざとなれば家に帰ると思うが……」と話し、店内に入っていった。

 男性によると、感染が拡大する前と比べて、2割程度は客が減っているという。「感染する心配は特にしていない」と話す。

 この店でアルバイトしている男性は「周りのお店が休業していればその分、お客さんに来てもらうチャンスだと思う。バイトがなくなるのも困る」と話す。

 一方で、「家に帰って、家族にうつさないかが心配」とこぼす。不特定多数の人が出入りしているので、感染しないか不安だ。30分に1回は手を消毒したり、自主的に窓を開けて換気をしたりして注意している。

 全国に約460店舗ある「快活CLUB」の運営会社によると、県内の11店舗はいずれも営業を継続している。広報担当者は「休業しても家賃などの固定費はかかる。社会インフラとして利用されていることも考える必要がある」と話す。

 換気やマスク着用、入店時の消毒を促すなどの対策をとった上で営業しているという。感染防止策として企業で広まっているテレワークに店舗を利用することも呼びかけている。

 また、県内に3店舗あるインターネットカフェ「金太郎」も営業を継続。2店舗ある「自遊空間」は一時休業したが、大型連休明けの7日から営業を再開したという。

 県独自のガイドラインでは、ネットカフェは4段階のうち警戒度が2番目に低くなるまでは休業要請の対象になる。早くても5月末までは休業要請が続くことになる。県の担当者は「ネットカフェは3密の環境になりやすい。営業や外出の自粛を引き続き要請していく」と説明している。(森岡航平)