拡大する写真・図版蛭沼さん方にツバメたちが作った二つの巣

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 埼玉県加須市大越の蛭沼(ひるぬま)君枝さん(83)方の玄関とすぐ近くの続きの居間で2つがいのツバメがそれぞれ子育てしている。家の中に巣をつくるようになって25年になるが、2組が同時に来たのは初めてという。新型コロナウイルスの感染拡大を防ごうと「密」を避ける人間界をよそに、ヒナは計9羽とにぎやかだ。

 玄関の戸を開けたまま外出した間に、巣作りの場所を探していたツバメが舞い込んだのが1995年春。それから毎年、飛来するようになった。子育ての姿を居間で見るのが楽しみで、縁側の欄間に親ツバメ専用の出入り口をつくり、ヒナのえさを外から常時運びこめるようにした。

拡大する写真・図版巣のヒナにえさを運ぶ親鳥

 「専用」出入り口から卵を産みに来ることなどから、子から孫へと代々が蛭沼さん宅を利用していると思われ、今年の2組の夫同士は「兄弟ではないか」と、蛭沼さんは家の中を飛び回るツバメを見守る。「二つのつがいは初めてでけんかもせず、私には奇跡のように思える」

 2メートル足らずの近さで巣をつくり4羽と5羽のヒナがいるのを見て、遊びに来た親戚の子どもも驚いた。「親と子の自然な姿を見せてやることができ、ありがたい」。いつも巣立ちの時は少し寂しくなるが、来年がまた楽しみという。(高橋町彰)