[PR]

 緊急事態宣言が39県で解除されて初めての日曜日となった17日、宣言が続く神奈川県内では、湘南で再び渋滞が見られるようになった。感染拡大前に比べて、3割ほど人出が増えた海岸もあった。関係者は感染拡大防止のために、「もう少し我慢してほしい」と呼びかけている。

 藤沢市の江の島周辺の国道134号では、鎌倉方面に向かう車で昼ごろから夕方にかけて混雑。地元の「湘南」「横浜」ナンバーのほか、県外ナンバーもみられた。江の島近くの片瀬海岸西浜では、サーファーや砂浜で遊ぶ親子連れの姿もあった。

 大型連休中は、黒岩祐治知事や鈴木恒夫・藤沢市長らが「湘南に来ないで」と呼びかけていたこともあって、以前の渋滞がうそのように閑散とした。だが、17日に江の島周辺の様子を視察した藤沢市幹部は、「自粛要請以前の週末と変わらないと感じた」という。

 「前日の土曜日は雨だったが、日曜日はいい天気で気温も上がった。『自粛疲れ』で、地元の人たちの散歩やジョギングのほか、近隣からも海を見に自転車で足を運んできたのでは」と分析。「もうしばらく我慢してほしい」と訴える。

 携帯電話の位置情報から人の動きを分析するNTTドコモの「モバイル空間統計」を活用して、県が17日午後3時の藤沢・鵠沼海岸周辺の人出を感染拡大前(1月18日~2月14日の休日の平均データ)と比べたところ、32・8%増えていた。また、県警交通規制課によると、17日午後3時半ごろには国道134号で約4キロ渋滞。江の島では駐車場閉鎖が続いていて、「路上駐車が多い」という通報も数件あったという。

 鎌倉市で国道134号の通行量を調べた市観光協会によると、海辺を歩くカップルや家族連れの中には、マスクをしない人の姿が目立った。同協会の進藤勝事務局長は「外出自粛が浸透していた先週までとは、はっきり違った。これからアジサイや海水浴の季節を迎えるが、観光客とどう向き合うかは難しい課題」と頭を悩ませている。

 アジサイの名所として知られる長谷寺は、今年はアジサイ鑑賞を事前申込制にした。また、市観光課によると、この夏に市内の海水浴場を開くかは決まっていない。湘南一帯の自治体が足並みをそろえないと、一部の海水浴場に人が集中しかねないためだ。今月初めには、県に統一的な見解を示すよう要望したという。(秦忠弘、林瞬、織井優佳)