景気、遠い回復基調 「戦後最悪の落ち込み」の指摘も

有料記事新型コロナウイルス

山本知弘、津阪直樹
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 消費増税後の落ち込みからすぐ抜け出し、成長軌道に戻る――。政府が描いたシナリオはコロナショックで崩れ去った。1~3月期の国内総生産(GDP)は2四半期連続のマイナスとなり、続く4~6月期も戦後最悪の落ち込みが予想されている。政府は、未曽有の危機に歯止めをかけようと対策を繰り出しているが、コロナ収束の出口は見えず、経済の正常化は長期戦を強いられそうだ。

内需・外需、総崩れ

 「消費増税や台風などの影響も徐々に和らぎ回復基調に戻ってくると期待していたが、残念ながらウイルスの影響で大変厳しい状況になった」。1~3月期のGDPについて、西村康稔経済再生相は18日の会見でこう振り返った。

 昨年10月の増税後に落ち込んだ個人消費について、政府は年明けごろまで、着実に回復しつつあるとみていた。ところがその後、新型コロナの感染が国内に波及し、状況は一変した。

 2月下旬以降、外出の自粛や営業縮小の動きが広がり、「不要不急」の買い物や外食、レジャーの消費が一気に縮んだ。春休みの3月、JR東日本では新幹線や特急の乗客数が前年より5割余り落ち込んだ。

 統計上、輸出に含まれるインバウンド消費も「蒸発」した。海外渡航の制限が広がり、3月の訪日客数は前年比9割減と記録的な落ち込みに。この影響で、1~3月期のGDPは0・4ポイント分押し下げられた。

 訪日客需要に支えられてきたサービス業の痛手は大きい。三越伊勢丹ホールディングスでは「3月の段階で外国人客はほぼゼロ、日本人客も大きく下がった」(杉江俊彦社長)という。

 こうした状況で1~3月期のGDPは、個人消費や輸出を中心に主要な項目がすべてマイナスとなった。内需、外需ともに「総崩れ」で、景気の支え手が見当たらない状況だ。

トヨタ社長「インパクト、リーマンよりはるかに」

 未知のウイルスの出現は、米中貿易摩擦や消費増税の影響で勢いを弱めていた景気に追い打ちをかけたが、今回見えたのは危機の一端にすぎない。影響が本格化した4月以降、景気は坂道を転げ落ちている。

 政府は4月に緊急事態を宣言。出勤者の「最低7割削減」など活動の縮小を求め、外出自粛や休業が一気に各地に広がった。

 苦境はサービス業だけでなく、製造業にも広がっている。その柱である自動車産業では各社が国内の一部工場を休止し、大幅な減産が続く。国内外で販売が急速に落ち込んでいるためだ。トヨタ自動車は、5月の国内生産を当初計画から半減させ、6月も4割減とする見通しだ。経営者からは「コロナのインパクトはリーマン・ショックよりはるかに大きい」(トヨタ自動車の豊田章男社長)といった厳しい声が相次ぐ。

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