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 緊急事態宣言の解除後も臨時休校が続く広島県内の多くの公立学校で18日、自主登校が始まった。学びやに、友達や先生との再会を喜ぶ子どもたちの元気な声が久しぶりに響いた。

 「おはようございます」。午前7時半ごろ、大竹市立の小中一貫教育校、小方学園の児童・生徒たちが校舎に入って行った。

 クラスの半数ずつが1日おきに学ぶ分散登校。22日からは給食も始まる。フェリーなどで遠方から通う子もおり、地区なども考慮して振り分けた。この日は327人が登校。小学6年の中野来潤(らうる)さんは「久しぶりじゃけえ、みんなと話せるか少し緊張した」と笑顔で話した。

 小学1年のクラスでは12人が一つずつ席を空けて着席。4時限まで学び、昼過ぎに下校した。1年生を担当する川島真由美教諭は「入学から8日間で休校になり、鉛筆の持ち方も丁寧に指導できていなかった。ほっとしています」。

 休憩時間は手洗いし、教室は常に換気。机は対面を避け、階段手すりやドアノブなどは毎日教員がアルコールで消毒する。大橋綾子校長は「子どもが来ると教員も元気になる」と話した。

 小中一貫の府中市立府中明郷学園ではこの朝、校長らが校門に立ち、児童に声をかけた。「元気にしてた?」「離れて歩いてね」

 児童・生徒を住所別にAとBの2グループに分け、日替わりでの自主登校。教室が過密になるのを防ぎ、低学年児童の登下校の安全や保護者負担に配慮した。

 1年生の教室では、22人のうち12人が1席ずつ空けて着席。担任が「朝、熱を測っていない人は?」と声をかけ、まず体温を測った。休校中に廊下に貼った誘導テープに従い、間隔を空けて右側通行をするように呼びかけた。その後、学習の一環で、校庭の畑にサツマイモを植えた。

 同校は1年生について、自主登校する児童には時間割を設けて教科書を使用▽自宅にいる児童には課題――という2本立ての指導を考えている。ひらがなを教え始めたところで休校に入った担任の田中美雪教諭は「課題は出していたけれど、一からのスタート」と語る。児童はまだ学校に慣れておらず、あまり学習のスピードは上げられないという。「まずは早寝早起きなど生活リズムを整えるところから始めたい」

 広島市中区の市立基町高でもこの日、「分散自主登校」が始まった。各クラスを出席番号順に奇数と偶数に分け、この日は全1082人のうち494人が登校した。午前9時半の始業1時間前に着いたという3年の女子生徒は「登校日を楽しみにしていた。ずっと学校に来たかった」。

 3年生の模試は1件は中止となり、もう1件は自宅受験となった。3年4組の教室では、担任の大橋道信教諭が模範解答も含めた模試資料一式など、配布物について説明した。3時限の自主学習の間には生徒を一人ずつ廊下に呼び個別懇談。「休校中どうだった」などと尋ねていた。

 同高では、7月の文化祭と9月の体育大会の中止が決まった。「断腸の思い。大事なことなのできちんと自分の口で伝えたい」。横山尚司校長はこの日、ホームルーム冒頭の校内放送であいさつし、こうも述べた。「元気そうな君たちの顔を見て少し安心するとともに、やはり生徒の声が聞こえてくるのが学校の本来の姿だと感じています」(西晃奈、蜷川大介、宮崎園子