米ワクチン試験、8人に抗体確認 「免疫効果に期待」
米バイオ企業モデルナは18日、同社が始めている新型コロナウイルスのワクチンの臨床試験の初期結果を公表した。試験の参加者のうち、最初に接種した8人で抗体の存在を確認したといい、免疫効果に期待がもてるとしている。深刻な副作用はなく、7月にも最終の試験を始めるという。
公表されたのは、少ない人数を対象に効果や安全性を調べる「第1相試験」の結果。米国立保健研究所(NIH)傘下の国立アレルギー感染症研究所(NIAID)が同社のワクチンを使い、健康な18~55歳の計45人が参加して3月半ばに始まった。米で人への試験結果が出たのは初めて。
同社によると、45人のうち最初に2回接種した8人全員に抗体ができたことを確認。抗体の量は、新型コロナウイルスに実際に感染し、回復した人と同等かそれ以上だという。接種したワクチンの量が増えると、抗体の量も増えたとしている。8人のうち1人は接種場所に紅斑ができたが、治療が必要な深刻な副作用はみられなかったという。
今回の試験では、ワクチンで新型コロナの感染を防いだり症状を和らげたりする免疫を獲得できるかは見ていない。一方、NIAIDがマウスにこのワクチンを接種し、実際のウイルスに感染させた研究では抗体ができ、肺の中でウイルスは増えなかったという。同社の担当者は「このワクチンが新型コロナを防ぐという確信を強くした」とコメントしている。
ワクチンの臨床試験は一般的に、少人数で安全性・有効性を確認する第1相、数百人規模に増やす第2相、数千人規模で行う第3相と進み、薬事承認される。米食品医薬品局(FDA)はすでにモデルナのワクチンに第2相試験を許可しており、まもなく始まる。同社は最終の第3相試験を7月に始めるという。FDAは承認審査を優先的に行う「ファストトラック」にこのワクチンを指定している。
ワクチンの開発は世界各国で…
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