拡大する写真・図版ストックホルムで3月26日、屋外の席で日光を楽しむレストランの客ら=ロイター

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 新型コロナウイルスの抑止策として、欧州各国が厳しい行動制限や商店の閉鎖などを含む「ロックダウン」(都市封鎖)を実施する中、北欧スウェーデンが独自路線をとっている。日常に近い生活が維持され、人々は外食や買い物を楽しんでいる。(ロンドン=下司佳代子)

政府を信頼、ルール順守

 スウェーデン政府は国民に、発熱やせきなどがあれば自宅療養する▽他人とは社会的距離をとる▽可能なら在宅勤務する▽70歳以上は出来るだけ他人と接触しない――などと要請している。要請にとどめている点は日本と共通している。50人超の集会は禁止され、店での飲食は席と席の間隔を開けるなどの制約はあるものの、学校も中学以下は休校しないなど、人々の生活は以前とさほど変わっていない。

 スウェーデンではもともと当局や政策への国民の信頼は厚いとされ、ルールが自発的に守られている。4月末の世論調査では9割超が他人とは少なくとも1メートルの距離をとっていると回答した。

 公衆衛生に関する政策を実質的に決めているのは、ロベーン首相ら政治家ではなく公衆衛生庁の疫学責任者アンデシュ・テグネル氏らのチームだ。毎日の記者会見で感染状況や施策を説明する。独自戦略は外国メディアからも注目され、ブルームバーグ通信によると8日のオンライン会見では60カ国から450人の記者らが参加。テグネル氏は「国民を信頼し、個人に責任を与えるのが、私たちの公衆衛生のあり方だ」と語った。

拡大する写真・図版ストックホルムで15日、会見する公衆衛生庁疫学責任者のアンデシュ・テグネル氏=ロイター

 コロナ危機の顔となったテグネル氏の人気は高い。

 ストックホルムの会社員グスタブ・オーゲブロッドさん(32)は4月末、テグネル氏の似顔絵のタトゥーを左腕に入れた。「彼はロックスターのような存在だ。会見ではどんな質問にも適切に答え、素晴らしい仕事をしている。連帯を示したかった」

 在宅勤務をしつつ、スポーツジムに通い、週末はショッピングセンターでの買い物や家族とパブでの食事を楽しむ。「他国のように武装した警官や兵士が市民を見張る社会は望まない。若者は社会を通常通り動かすために出来ることをすべきだと思う。高齢者を守るためにもなる」

拡大する写真・図版ストックホルムで4月27日、政府の疫学責任者アンデシュ・テグネル氏の似顔絵のタトゥーを入れたグスタブ・オーゲブロッドさん=ロイター

WHOも評価「将来のモデル」

 当局は独自路線に自信を見せる。

 テグネル氏は「私たちの目標は…

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