朽ちるのもまた芸術 伝説のアイヌ彫刻家の作品、倒壊
本田大次郎
北海道を代表する彫刻家、砂澤ビッキ(1931~89)のトーテムポールが、4月下旬、倒壊した。音威子府村にある、北大中川研究林の事務所前に立っていた。素材の木が倒れ、朽ちていくのも、また自然。ビッキの思いを継ぎ、しばらくは倒れたままの姿を残すという。
春嵐の夜、高さ6メートルのフクロウは崩れ落ちた
倒壊したのは、81年に制作された「思考の鳥」というトーテムポールのうち、「フクロウ」。アカエゾマツで作られ、高さは約6メートル。4月21日夜、強風のため、土台から約1・7メートルを残して倒れた。広げた翼の裏には、制作に協力した人たちの名前も刻まれていた。
「思考の鳥」は3本から成り…