五輪延期で長崎原爆の日を祝日化 自公から異論、再考へ

西村圭史 大久保貴裕
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 東京五輪パラリンピックの延期に伴い、祝日を変える法改正案について、自民、公明両党は19日、改正案を了承せず政府に再考を求めた。五輪閉会式翌日の2021年8月9日を祝日とすることに「長崎原爆の日を『祝日』にするのはありえない」と異論が出たためだ。

 政府は東京都内の混雑緩和などを目的に、祝日変更を含む東京五輪・パラリンピック特別措置法改正案を近く国会に提出する方針だ。改正案によると、21年は8月11日の「山の日」を閉会式翌日の9日に移す。さらに「海の日」(7月の第3月曜日)を五輪開会式前日の7月22日、「スポーツの日」(10月の第2月曜日)を開会式当日の同23日に移す。

 19日の自民党政調審議会では、8月9日を祝日にする政府案に長崎が地盤の冨岡勉衆院議員(比例九州ブロック)が「長崎にとってはありえない」と反発。他の議員から「閉会式の日曜日を祝日とし、9日は振り替え休日にするのはどうか」などの意見があり、今後、政府で再検討する。

 冨岡氏は朝日新聞の取材に「法の趣旨は反対しないが、喪に服する日を『祝う日』として国旗をかかげ、カレンダーに赤丸をつけることはできない」と話した。

 公明党も19日の党内論議で8月9日の祝日化に反対論があり、石田祝稔政調会長は「県民の気持ちも大事にしないといけない」として了承を見送った。(西村圭史、大久保貴裕)

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