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 新型コロナウイルスの影響で客足が減少している飲食店を支援する取り組みが広がっている。インターネットを通じた注文の受け付けやテイクアウト、宅配などを手助けし、外出自粛で「巣ごもり生活」をしている人々の宅飲みや宅食のニーズを取り込もうとしている。(中沢滋人、三木一哉、長崎潤一郎)

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 北海道帯広市のTKタクシー(小林義幸社長)は、客に代わってテイクアウトの弁当や薬などを受け取りに行く「便利タクシー」と銘打ったサービスを始めた。

 客が飲食店にテイクアウト商品を注文し、依頼を受けたタクシーが取りに行く。客からの依頼の場合、最初の1キロまでが500円。以降500メートルごとに100円加算する。弁当などの代金の立て替えも担う。店からの食料品の宅配依頼にも対応するが、その場合の料金は要相談になる。

 サービスを始めた4月10日の時点では、国が本業に影響が出ない「救援事業」と位置づけて認められ、客からの依頼しか受け付けられなかった。しかし、4月下旬からは特例で、店からの依頼にも対応できるようになった。国は特例の期間を9月末までとしている。

 同社は約70台の小型タクシーを動かしているが、今年3月の売り上げは前年比3割減。小林義幸社長は「便利タクシーで減収を穴埋めできるとは思わないが、この時期に、困っている人たちの役に立てるということは、乗務員にとってもやりがいになる」と話す。

 芽室町を中心にする同社系列のこばとハイヤーでも同様のサービスを開始したほか、十勝地方の他のタクシー会社も弁当などの宅配を始める動きが出ている。

 便利タクシーの問い合わせはTKタクシー(0155・33・9595)へ。

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 函館市は自治体自ら飲食店のデリバリーなどを支援するしくみをつくり、応援しようとしている。

 「おいしい函館応援団」と名付けられたプロジェクトは飲食店のテイクアウト、配達、通販の情報を紹介するウェブサイトを作った。このサイトを経由すると、飲食店の割引を受けられる「おいしい函館クーポン」を発行する。19日現在、テイクアウト62件、配達24件、通販9件が参加している。

 6月からは「おかずデリバリー」の実証実験に着手する。参加店には千円、3千円の「夕飯のおかずセット」を作ってもらい、それを一般の事業所の職場で注文販売し、夕方、職場に届けるというサービスだ。

 実証実験には、新しいビジネスを育てるというねらいもある。新型コロナウイルス感染症が終息しても、観光客の回復には時間がかかるとみられるからだ。

 「夕飯のおかず」は午後のランチタイムと晩の飲食の間の時間に調理できる。ランチ営業が中心の店も、夜の飲食が中心の店も参加できると考えた。

 市の担当者は「函館は独立のデリバリー専門業者が進出していない。どの程度のニーズがあるか、見極めながら進めたい」と話す。

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 税理士法人ベンチャーパートナーズ総合会計事務所(札幌市)は、新型コロナウイルスの影響で経営が苦しい札幌の飲食店を支援するため、テイクアウト情報を紹介するサイト「お持ち帰り.com」を立ち上げた。

 税理士法人としてさまざまな事業者と取引しているが、外出自粛の長期化で特に苦境に陥っている飲食店のために7日にサイトを開設した。現在は掲載は約10店舗だが、今後半年間で300店舗以上の登録をめざすという。

 同社と取引のない飲食店も含めて掲載は無料。ネットに不慣れな飲食店主には同社のスタッフが登録作業を手伝うという。担当者は「コロナ不況に苦しむ札幌の活性化に少しでも貢献したい」と話す。