選手を心身両面でサポート 日本陸連がHPに手引
新型コロナウイルスの影響で練習もままならない選手やその指導者、家族に向け、日本陸連が心身両面でサポートに乗り出した。陸連のホームページ(HP)で具体的な対処法、アドバイスを紹介している。
個人競技の陸上は、チームスポーツと比べて孤立しやすい。一般市民も在宅勤務などが続く状況で、日本陸連科学委員会で心理面を担当する山本宏明医師(北里大メディカルセンター精神科)は「新型コロナは人間関係を分断してしまう」と話す。SNSやオンラインを通じて仲間とつながることが重要だという。
目標とした大会がなくなったり、練習ができなかったりで落ち込む選手にどう対応したらいいか。手引によると、「思いもよらない体験をしたアスリートには自分の体験や気持ちを適切に整理できる時間が大切」とし、周囲は「選手が話したい時はいつでも話を聴く」というスタンスが重要と解説する。試合が開催できない現状には、「自分がコントロールできること、できないことを意識して、できるだけ明確で短期的な目標に取り組む」などとしている。
練習が十分にできない環境である一方、日本陸連医事委員会スポーツ栄養部長の田口素子さん(早大スポーツ科学学術院教授)は「今は家にいて自分と向き合う時間が長い分、食事を考える良い機会にして欲しい」と語る。
同委員会はHPで「コンディション維持のための免疫力UPメニュー」を掲載した。ビタミンA、C、Dや乳酸菌、食物繊維、βグルカンといった免疫力アップにいい栄養素や成分を挙げ、それらが多く含まれている食品を提示。「かぼちゃほうとう」「野菜とキムチの牛肉巻き」といったメニューを紹介する。田口さんは「栄養摂取は薬ではないので即効性はないが、少なくとも体の状態をより良い状態にしておけばウイルスに感染するリスクは減らすことができる」と話す。
詳しくは日本陸連のHP(https://www.jaaf.or.jp/)で。(堀川貴弘)
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