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 政府は、新型コロナウイルス対応の特別措置法に基づき、緊急事態宣言を継続している8都道府県のうち、新規感染者が十分に減少している京都、大阪、兵庫の近畿3府県を解除する方向で最終調整に入った。21日に医療や経済の専門家からなる諮問委員会に諮り、政府対策本部で正式決定する。

 複数の政府関係者が明らかにした。菅義偉官房長官は20日の記者会見で「可能であれば31日の期間満了を待つこと無く、緊急事態を解除する考えに変わりはない」と述べた。

 現在も宣言対象となっているのは北海道、埼玉、千葉、東京、神奈川、京都、大阪、兵庫の8都道府県。解除の目安の一つは「直近1週間の新規感染者数の累計が人口10万人あたり0・5人程度以下」。朝日新聞のまとめ(20日時点)では、近畿3府県は京都が0・04人、大阪が0・24人、兵庫が0・07人に抑えられており、政府高官は「解除は問題ない」と話す。

 一方で、北海道は0・69人、東京は0・56人、神奈川は1・08人と目安を上回った。解除にあたり政府は、通勤などで人々の行き来が盛んな関東4都県と近畿3府県について、それぞれ都市圏ごとに一括して解除の可否を判断する方針で、政府は関東4都県と北海道は宣言を継続する方向で調整している。

 関東4都県のうち埼玉と千葉では感染状況が十分に落ち着いているが、西村康稔経済再生相は20日の会見で「基本的には経済圏、生活圏を考えれば一体的に判断していくのが適切だ」と改めて強調。政府の諮問委員会に参加する専門家は「拙速に解除すると、1カ月後にはあちこちでクラスター(感染者集団)が再発生するのではとの懸念がある」と述べた。

 宣言を解除する基準として、地域の医療提供体制や、PCR検査などの監視体制も含めて総合的に判断するとしており、政府は21日も引き続き専門家らの意見を聞いて最終判断する方針だ。

 8都道府県はいずれも、特に重点的に対策が必要な「特定警戒都道府県」に指定されており、「最低7割、極力8割程度の接触機会の低減」のため、特措法に基づく外出自粛要請が出され、他の地域への移動を避けるよう呼びかけられている。宣言が解除された後も、引き続き「密閉・密集・密接」の3密を避けることや、マスクの着用など基本的な感染防止対策が求められる。(中田絢子、坂本純也)