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 全国高校野球選手権大会を主催する朝日新聞社と日本高校野球連盟は20日、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、今夏の第102回全国選手権大会と、代表49校を決める地方大会の中止を発表した。

 2年続けての代表をめざした岡山学芸館は、テレビ会議システムを使い、全部員106人が参加するオンラインミーティングを開いた。佐藤貴博監督は3年生に向け、「この運命を愛して希望に生きる。次に向けてやるしかない。でも、今日は泣いていいよ。ここでの切り替えは大人になる上でもすごく必要なこと」と学校の会議室から呼びかけた。涙をぬぐい顔を覆う部員もいた。

 ミーティング後、画面を通じて取材に応じた竹下夏葵主将(3年)は「開催を信じて待っていたが、とても残念。甲子園はなくなったが、悔しさやむなしさを糧にして今後に生かしていきたい」と話した。

 同校は5月末まで休校の予定。4月から毎日オンラインミーティングを開いて、監督らと部員との対話を続けてきた。岡山県高野連は独自の大会の開催を検討している。竹下主将は「開催なら楽しんで野球をして、支えてくれた人に元気を出してもらえるようなプレーをしたい」。佐藤監督も「『連覇』を狙えるのはうちだけ。取りにいきたい」と力を込めた。

 春夏合わせて15回の甲子園出場を誇る盛岡大付(岩手)。20日の練習後のミーティングで、関口清治監督は3年生37人に話しかけた。「悔しい思いはみんなあると思う。でも全国では、この知らせを家で聞いている野球部員もいる。練習ができている自分たちは恵まれていることをまずは自覚しよう」

 岩手県は新型コロナウイルスの感染者が全国で唯一確認されていない。チームは大型連休中に中止していた全体練習を、7日から再開した。部員は1週間ほど前から、ミーティングで中止の可能性を共有してきた。小林武都(たける)主将は20日、3年生を集め、「みんなある程度覚悟はできていたと思う。もし県で大会があるならば、優勝して、甲子園に行けなかった悔しさをかみしめよう」と語りかけた。

 関口監督は取材に対し「岩手県は感染者がいないということもあり、甲子園ができるんじゃないかと、どこかで期待していた」。だが、最近、他県の知り合いの監督から練習すらできていないという状況を聞いて温度差があることを思い知らされたという。

 部員の6割は県外から進学し寮生活を送っている。「甲子園のために入学してきた子たちがほとんど。彼らが納得して3年間を終えられるように舞台を準備してあげたい」と語った。