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 自民党は20日、新型コロナウイルスに対応するための第2次補正予算案への提言をまとめた。対応の長期化を前提に、事業や雇用の維持、休業手当の拡充や学生、ひとり親への生活支援を盛り込み、対策を充実させるのが狙い。21日に安倍晋三首相に提出する。(西村圭史、大久保貴裕)

 この日、党本部で開かれた新型コロナ対策の合同会議で、岸田文雄政調会長は「緊急(経済)対策に何を加えなければならないか。ターゲットを絞って2次補正の議論を行わなければならない」と述べ、提言をまとめた。

 提言は留意点として「経済は当初想定していた以上に深く、広く、長く悪影響を受けることが明らかになりつつある」と指摘。有効な治療法やワクチンの開発が実現しておらず、「新型コロナとの長期戦が避けられない状況になってきている」とした。

芸術家やアスリートへの支援も

 感染予防と経済活性化の両立をめざす具体策として、対策の長期化で疲弊する医療機関への支援を第一に掲げた。困窮者対策では、ひとり親家庭への支援を求め、児童扶養手当の拡充を念頭に政府と制度設計を詰める。アルバイト収入が激減した学生には既に閣議決定した現金給付に加え、授業料を減免した大学などにも助成する。活動の継続が困難な芸術家やアスリートを救済する支援策も盛り込んだ。

 休業者対策では、企業が払う休業手当の一部を補助する雇用調整助成金の上限を引き上げるほか、従業員が国に直接申請すれば、賃金の8割を受け取れる新制度の創設も求めた。

 事業者向けには、売り上げが落ちた中小事業者などを支援する持続化給付金を拡充し、負担の大きい家賃に対しては借り手への直接支援策と、独自に家賃支援に取り組む地方自治体への財政支援を盛り込んだ。農家の事業継続のため、上限150万円の補助金を新設する。コロナ対策を行う地方自治体への臨時交付金と、感染拡大の第2波に備えるための予備費の積み増しも求めた。

実効性が課題、焦点は予算規模

 与党の提言を受け、政府は27日の第2次補正予算案の閣議決定をめざす。今後の焦点は対策の実効性と予算規模だ。

 20日の自民党の会議では「資金繰りのための融資や現金給付も、窓口で滞ったら意味がない」など、予算を積み上げるだけでは不十分との声も出た。厚生労働行政に詳しいベテラン議員は「医療現場への支援策は、まだ中身も財源確保も具体化できていない」と語り、有効な対策を打ち出せるかは今後の検討次第だ。

 2次補正の規模は、4月末に成立した総額25兆6914億円の第1次補正予算の実施状況などを踏まえ政府が検討する。20日の自民党の会議では、「コロナ対策で下手をすると次の選挙で勝てない」との声も飛び出し、提言の実現のため、赤字国債発行による大規模な財政支出を求める声も強まりそうだ。(西村圭史)

公明も提言まとめる 家賃支援に1兆円の交付金

 新型コロナウイルス対策で公明党がまとめた第2次補正予算案の提言案が20日分かった。地方自治体向けの「地方創生臨時交付金」を新たに3兆円計上し、そのうち1兆円を事業者向けの家賃支援に特化した交付金とするのが柱だ。

 海外に住む日本人を一律10万円給付の対象に加え、ひとり親家庭の支援策として児童扶養手当の受給者への臨時給付金を求めた。企業の財務基盤を強化するための資本注入を30兆円規模で行うことを提案。台風シーズンに備え、避難所のマスクや体温計などの備蓄支援も盛り込んだ。(大久保貴裕)